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編集部だより

若手編集者が語る! 作家との出会いから、絵本が生まれるまで

こんにちは。編集部の丸本です。
編集部に入って、かぞえてみると今年で9年目。まだまだ少ないながら、いろいろな本を担当してきました。きょうはこれまでに担当してきた本のことや、11月に出るnakabanさんの新刊『ダーラナのひ』についてお話します。

あこがれの佐々木マキさんと!

 1冊の絵本がどうやってできるのか、謎ですよね。僕が入社した当初もまじで謎! でした。

 偕成社では、基本的にはひとりの作家さんにひとりの担当者、という体制をとっています。そのため、新米の編集者は、これまで偕成社では本を出していない作家さんにアタックすることが必然的におおくなります。じぶんの好きな作家さんや、展覧会や作品を見て気になったかたなど、お声がけするきっかけはさまざま。

 そんななか、お手紙を書いてはじめて形になったのは、佐々木マキさんの絵本でした。マキさんの漫画や絵本は学生時代から大好きで、まさにあこがれの作家さん。畏れおおすぎる……とおもっていたのですが、あるときおもいたってお手紙をしたため、幸運にも会っていただけることになりました。(そのときなにを話したのか……手と足がいっしょに出そうなくらい緊張していたので、まったくおもいだせません)

 そうして、はじめて担当させていただいたのが『あかいけいと』と『あおいともだち』というちいさな絵本。

 お手紙を出したのが、2015年の春。本ができあがったのは、2016年の秋でした。お願いしてから刊行まで何年もかかることも少なくないので、かなりラッキーだったなあ、とおもいます。

きゅうに動き出した『めいわくなボール』

 お声がけをしてから何年もたってきゅうに動き出す、なんてこともあります。

 2020年11月に刊行した『めいわくなボール』の牡丹靖佳さんとは、やりとりをはじめたのがたしか2014年の終わりごろ。そのときは牡丹さんが多忙ということもあり、しばらくはなにもなかったのですが、2019年の秋からまさにボールが転がるように、トントン拍子で絵本ができあがったのでした。

 そんな『めいわくなボール』の原画展が、京都の子どもの本専門店、きんだあらんどさんで開催中です!

牡丹靖佳『めいわくなボール』原画展

 なんと牡丹さん手づくり(!)の額に入ったすてきな絵がお待ちしています。限定販売のグッズもたくさんありますので、お近くのかたはぜひ! 9月12日(日)のトークイベントには、聞き手として参加します(オンラインも!)。

「焚き火の絵本を」の思いから生まれた『ダーラナのひ』

 11月の新刊、『ダーラナのひ』のきっかけは、展覧会でした。

 作者のnakabanさんは、絵本や書籍の装丁のほか、タブローの展覧会も頻繁に行なわれています。その絵がとてもすきで、よく展覧会を見にいっていました。

 絵本をつくりたいなあとおもいつつ、なかなか言い出せずもじもじしていたある展覧会の打ち上げの帰り道。おもいきって「焚き火の絵本がつくりたいんです」と伝え、それに共鳴してくださり絵本の企画がスタートしました。

 最初は「火」にたいするイメージの共有からはじまり、そこからnakabanさんが物語を紡いでくださいました。当初のラフから何度もやりとりを重ねながら、『ダーラナのひ』ができあがりました。

これはまだ入稿前のダミー。プリンタで印刷した紙を貼りあわせてつくっています

 こちらはつい先日印刷所に入稿したばかり。原画のうつくしく鮮やかな色彩を表現するため、CMYKという基本の4色のインクのうち、M(マゼンタ)版に蛍光色を混ぜるという工夫もしています。どんなふうに刷り上がるか、いまからたのしみです。11月には、nakabanさんによる「わたしの新刊」も掲載予定ですので、くわしい制作の裏話などはそちらもおたのしみに!

 わが子のようにかわいい担当本たち。今回紹介できなかった本はまた次回! ぜひ書店さんでお手にとってみてくださいね。

(編集部・丸本)

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今日の1さつ

真っ黒な表紙にこれ以上ない直截な言葉「なぜ戦争はよくないか」の表題にひかれ、手にとりました。ページを繰ると、あたたかな色彩で日常のなんでもない幸せな生活が描かれていて胸もホッコリ。それが理不尽な「戦争」によって、次々と破壊されていく様が、現在のガザやイスラエルと重なります。(70代)

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