『たっくんひろちゃんのちょうちょうとっきゅう』は、かこさとしさんが、ふたりのお孫さんのために描いた絵本。乗りものはもちろん、子どもたちが大好きなものがたくさん登場する、たのしく、冒険いっぱいのおはなしです。
台所やお風呂場の道具、ぬいぐるみたちと特急の旅へ!
ある日、たっくんが「ちょうとっきゅう(超特急)」の電車あそびをしていると……部屋のむこうから、やかんや鍋などの台所道具をのせた「だいどころれっしゃ」と、手桶や洗面器をのせた「おふろばれっしゃ」がやってきました。
そこへ、「のせてー」とやってきたのは、ライオンやゾウなどのぬいぐるみたち。列車をつなげて、弟のひろちゃんも一緒にのせて、みんなで「ちょうちょうとっきゅう」で出発します!
途中、おなかがへってそれぞれ好きなおやつを食べたり……
トンネルをくぐったり……
たっくんひろちゃんの特急の旅は、楽しいこともあれば、ひやっとするピンチも待っています。つぎのページでは何が起こるかな? とページをめくるたびにわくわくする絵本です。
かこさとしさんが幼いお孫さんのために描いた絵本
1997年に書かれた、この絵本のあとがきで、かこさんはこんな言葉をのこされています。
この本のもとになったのは、2年前、当時3歳と0歳のふたりの孫のためにかいた手がきの絵本です。(中略)非情なふたりゆえ、走りがきの絵本なんか無視されるのではと恐れたものの、その当時の好物を列挙したゆえか、なんとか破かれずに、こうしてみなさまにも見ていただける機会をえて、よろこんでいるところです。
孫のために手作りの絵本を描いてくれる素敵なおじいちゃん、かこさとしさん! お孫さんをはじめ、子どもたちを「よろこばせたい」という気持ちが短いページのなかにぎゅぎゅっとつまった楽しい1冊です。
ぜひお手にとって見てくださいね。