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編集部だより

『おめんです3』つくってます!

こんにちは! 編集部小宮山です。コロナ禍、大変ですね。我が家も、1歳と5歳の子がいて、仕事と子育てと家事とコロナとの複雑なかけ算に毎日とりくんで、解けない……というような日々を送っています。そんな2021年に、とっても明るい絵本の第3弾がやってきます! いしかわこうじさんの『おめんです3』です!

新刊のみどころは……迫力ある「なまはげ」そして「能面」!

 いしかわこうじさんといえば、『どうぶついろいろかくれんぼ』(ポプラ社)などの「かたぬきえほん」シリーズや『たまごのえほん』(童心社)など、数々のすごーく面白いしかけ絵本を世に出し続けている作家さん。かわいい絵はもちろん、「本」という「もの」が、どういう風にしたら「もの」として面白いのか、心地いいのかということを、とことん追求されている方です。

 どの本も、手に持ってみて・読んでみて・かざってみてすばらしいのですが、「おめんです」シリーズでは、リアルでちょっとこわいぐらいのおめんのしかけをめくると……かわいい動物たちが登場するという「ドキドキ」と「おもしろい!」をくりかえす面白さがぎゅっとつまっています。

 『おめんです』、『おめんです2』(映画のように「ツー」と呼んでいます)ときて、シリーズ最新刊『おめんです3』を、いしかわこうじさんがいままさに制作中です。さて、今回はどんなおめんが登場するのでしょう? ちょっと見てみましょう。

 なまはげ! そしてなんと能面! 

 なまはげがしかけ絵本になるなんて! そして能面は、ひやっとまわりの温度が下がるような迫力です。

 いしかわさんから預かったダミー(プリントした絵を絵本の形にしたもの)を編集部で広げていたら、「能面はちょっと……子どもの頃からこわい」と教えてくれた人が何名かいたぐらいインパクトがある絵になっています。

 ちなみに、この「こわさ」と「面白さ」の加減は、「おめんです」シリーズでは大切なところ。いしかわさんから何度か「これ、こわい? 大丈夫?」という相談があり、1歳児に見せて「一瞬かたまりましたが、大丈夫! 面白いです!」と報告したこともありました。

絵本作りのはじまりは、徹底的な資料集め!

 いしかわさんの絵本作りは、おめんとそれをかぶる動物さんたちとのマッチングの検討、そして徹底的な資料集めからはじまります。

 数年前から、いしかわこうじさんのアトリエには、「3(スリー)」に向けて、強烈な資料たちがぞくぞく集まってきていました。

 ある日、打ち合わせへ行くと、いしかわさんが「なまはげのおめん、見る?」と木箱からなまはげを取り出して見せてくれたことがありました。ほかにも、「美術館へ行ったら、能面のいい展示があって」と、撮ってきた写真を一緒に見たり、てんぐやおにのおめんがアトリエの壁にかけられているのを目撃したり、「秋田でなまはげ館へ行って、ブックスなまはげにも立ち寄ったよ!」と報告を受けたり……。

 いしかわさんは、資料集めはもちろん、旅先のおみやげもの屋さんなどでも物や本を集めるばつぐんのセンスの持ち主といつも思っていますが、「おめんです」シリーズの制作にもその力が発揮されています。アトリエで資料写真やおめんを見ながら、「このおめんのここが美しいよね」というお話をきくのはとても楽しい時間です。

打ち合わせ風景。最終ページのイメージを描いています。

アトリエにかざられた、おにとてんぐのおめん。

ミニラフ。泣く泣く「落選」となったおめんなども描かれています。

 もちろん、資料を集めるだけでは本になりません。日本や世界のおめんなどさまざまな資料を見て心が動いたところを、どう絵本の中に入れていくか、どうやって心地よいしかけに落とすか。今回も、おめんにあたる光や影も計算しながら描き、おめんの素材も感じられる仕上がりになっていて、すばらしい絵本になっています。そして、おめんをとったあとの動物たちのいたずらっぽい顔がかわいいんです。

保育士さんお墨付きの子どもが喜ぶ絵本に!

 刊行当初は、「おめんがなつかしい」というおばあちゃん世代から感想をいただくことが多かったこの絵本。最近は、保育士さんから「保育園で0・1・2歳児に読みましたが、みんな大喜びです」というお便りをいただいたくことが多くなりました。赤ちゃんが大好きな「顔」が何度もでてくるので、「3か月の子がじーっと見ています」という声もききます。

 ところで、『おめんです』は、最初からこのタイトルではなく、1回目のラフには『おめんえほん』と書かれていました。『おめんえほん』もいいな……でも、この作品、もっとあくが強いんじゃ? という話になり、『おめんです』というインパクトのあるタイトルになって出版されました。

最初にいただいた表紙のラフ。『おめんえほん』になっている。

 さて、そんな『おめんです3』は、2021年12月中旬に出版予定です。「3(スリー)」も入れると、こんな感じになる予定。

 なんだか縁起が良さそうです。

 そして、3冊ならぶとまるで積み木みたい! 0歳や1歳の子どもたちにとっては、おもちゃも絵本も同じ仲間のようなもの。子どもをかこむさまざまなもののひとつとしても、自然になじむたたずまいがすてきです。

 おもちゃみたいだし、工芸品のようでもある。赤ちゃんのファーストブックにぴったりだし、小学生もおじいちゃんおばあちゃんも楽しめる絵本。

 いろんな顔を持った「おめんです」シリーズが、もっともっとたくさんのおうちや、絵本を読む場に笑いを運びますように!

(編集部・小宮山)

2022年3月31日(木)まで『おめんです3』発売記念プレゼントキャンペーン開催中!
詳しくはこちら!

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