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編集部だより

郡上おどりにいってきた!〜絵本『ねこぼん』の世界へ〜

 こんにちは。編集部の丸本です。7月も終わり、子どもたちは夏休みモードを満喫しているころですね。
 
 そんな夏まっさかりのこの季節におすすめしたい本がこちら。
ねこの島でおこなわれる盆おどりの1日を描いた、『ねこぼん』です!
 
 
 こちらの本、著者のはやしますみさんによる大迫力の絵が魅力の本なのですが、盆おどりの絵を描くにあたって、「本場の盆おどりを体感せねば!」ということで、2018年夏、岐阜県郡上市で開催される「郡上おどり」にいってきたのでした。
 
 ご存じの方もおおいかとおもいますが、郡上おどりは「日本三大盆おどり」に数えられる、伝統的な盆おどりです。中世の「念仏おどり」や「風流おどり」の流れを汲むと考えられていて、江戸時代中期より以前からあったといわれています。(なんと、第二次世界大戦の終戦の日にもおどったのだとか…なんとパンクな…)
 
 この盆おどり、なんといっても見どころとなるのが、8月13〜16日におこなわれる、徹夜おどり。午後8時から午前4時もしくは5時まで、文字どおり徹夜でおどるのです……!
 
 われわれが会場についたのは、午後4時すぎ。ちょっとしたスコールに見舞われて、どうなるんだろう…とドキドキしていたのですが、あっというまに雲は晴れ、すずしい風がふいてきました。
 
 盆おどりは郡上の町全体でもりあがる盛大なイベント。町のそこここに「郡上踊」と書かれたちょうちんがぶらさがっていて、お祭りきぶんをもりあげてくれます。

どこかなつかしい町の風景も魅力のひとつです

町に流れる吉田川。きもちよさそう!

 
 屋台でごはんを食べたり、喫茶店でお茶を飲んだり、「郡上八幡博覧館」で盆おどりについて学んだり……(ここでは盆おどりや町の歴史にかんする資料などが展示されているほか、盆おどりのかんたんなレクチャーなどもあり、盆おどりへのボルテージをどんどんあげてくれるような場所でした…すばらしい)。
 
 そうこうしているうちに、あっというまに日は暮れて…
 

あっというまに通りが人でうめつくされます。熱気がすごい!

 
 道と道の交差するまんなかにあらわれた小ぶりのやぐらから、調子のよい囃子が聞こえてきます。歌はぜんぶで10種類あるのですが、かならずいちばん最初に歌われるというのが「古調かわさき」。「かわさき」という歌の昔バージョンで、最初に1回だけかかる曲です。郡上で50年以上(!)歌い続けているという後藤直弘さんのうつくしく情感あふれる歌声で、徹夜おどりのはじまりです。
 
 通りには人、人、人。とにかくみんなおどりまくりです。つかれたら脇にあるカフェでお茶をのむのもよし、屋台でビールやごはんをたべるのもよし、とにかくおどれるぶんだけおどりまくります。
 

交差している通りは「新町通」。おどってる看板がかっこいい!

みんなすれちがうように列になっておどります

お店やお家の軒先には、ちいさなちょうちんが。これまたかわいい

 
 夜がふけてくると、おどりの審査タイムがはじまります。郡上おどりには「免許状」というものがあって、その日ごとの課題曲にあわせておどっていると、上手な方には保存会員の方から木札がわたされるのです。木札をもって会場にある事務所にもっていくと、免許状がうけとれる、といったぐあい。
 
 この日の課題曲は「三百」。みんなさっきよりさらに気合いをいれておどります。
 

歌い手や演奏の方たちにも力がはいります

 
 なかにはグループになっておどりに参加している方もいて、衣装にもかなり気合いがはいっていました。本のなかに出てくるカラフルなねこたちは、このときのみんなの衣装からイメージされたそうです!
 
 
 なんどもいうようですが、午後8時から午前4時まで、とにかくずーっと歌いつづけ、みんなでおどりつづけます。くたくたになりながらも、曲が流れるとついおどってしまう…盆おどり初参戦でしたが、終わるころには曲ごとにちがうおどりをばっちりおぼえていました。
 
 朝もちかづき、その日の最後だけに歌われる「まつさか」が流れると、きょうのおどりもおしまい。ちょっぴりさみしいきぶんになりながら、めいめいの家や宿へと帰っていきます。あー、たのしかった!
 

午前4時半ぐらいの写真。みんなおつかれさまでした!

お寺の境内には仮眠をとる人たちのすがたが…!

 
 著者のはやしさんも僕も、郡上おどりをたっぷり満喫して、くたくたになりながら帰路についたのでした。
 
 『ねこぼん』はおはなしの絵本なので、こうした取材がそのままに描かれているわけではありません。でも、この時間、この場所でしか感じられない空気や色をぎゅうっと絵のなかに閉じこめた絵本になっています。お盆の季節に、ぜひ家族で読んでいただけたらうれしいです!
 
 
 なお、郡上おどりについてくわしくしりたい方はこちら。ことしも開催されますので、興味のわいた方はぜひ行ってみてくださいね。
 
 
(編集部・丸本)
※8月2日(金)〜8月15日(木)のあいだ、MARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店さんで原画展を開催します! 会期中に本をお買い上げの方には、はやしさんお手製のうちわをプレゼント!(なくなり次第終了)また、8月4日(日)には、著者のはやしさんといっしょに「あんどん」がつくれるワークショップも開催します。
お近くの方は、ぜひお越しくださいませ。原画展のくわしい情報はこちら、ワークショップのくわしい情報はこちらからどうぞ!

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「シノダ!」シリーズを卒業した子どもたちに勧めたくて購入しましたが、大人の私が夢中になりました。実在の人物も含め、あれだけ豪華な人々を登場させてあるのだから、これだけで終わらせないでください。イカルとトヨ、2人の少女のこれからや、謎だらけのアキラ、トノサマなど、知りたいことが満載です!(読者の方より)

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