あたたかい春の日。とある家の犬が、ときどき地面にむかってほえています。なぜかって? それは……地面の下を、バスがはしっているから! もぐらの建設会社がほった、ぐねぐねのトンネルをはしる「もぐらバス」。地面の下には、どんな世界が広がっているのでしょうか? 人気番組「ピタゴラスイッチ」の制作者コンビによる、ゆかいな絵本をご紹介します。

「つぎは ものおきのした ちょうめ」地面の下をはしる、もぐらバス!
ある平凡な町。実はその地面の下には、別の町がありました! そこには、もぐらの建設会社がほった、ちいさなトンネルがはりめぐらされています。

もぐらバスは、トンネルをいったりきたりして、ねずみ、すずめ、とかげ、かめ、かえるなどの乗客を乗せてはしります。
もぐらの運転手の声でバスがとまり、いえねずみのおくさんが乗ってきました。料金は、1回1円です。

もぐらバス、急ブレーキ! 道路のまんなかにあったのは?
「だれかんちのにわ ちょうめひょうたんいけと、ユニークな名前のバス停をめぐっていくもぐらバス。ところが、キキキーッ!! 突然、急ブレーキで止まりました。一体どうしたのでしょうか!?
もぐらの運転手がおりてみると……なんと、大きなたけのこが顔を出していました!
「これは これは たいへんだ!
あさ とおったときには なかったのだが」
たけのこは、あっという間に大きくなりますからね。

さて、急いで道をあけなくてはいけません。無線連絡でやってきた、もぐら建設の「あなほりがかり」が、せっせと穴をほります。
事情をきいた乗客は、
「たけのこじゃ しかたない」
「たけのこじゃ しかたない」
と、のんびり車内で待つことにしました。
さあ、どうやらとっても大きそうなたけのこ、無事にほりおこせるでしょうか?
著者の人は、「ピタゴラスイッチ」の制作者コンビ!
いそがしい毎日をおくる私たちも、「たけのこじゃ しかたない」の気持ちを持って、おだやかに春を過ごしたいですね。