ちょっと気弱な心やキツネと、見た目は怖いけど本当は情にあついオオカミ。キツネが思いついたおかしな商売、1時間100円で友だちになる「ともだちや」で出会ったふたりは、今ではほんもののともだちです。そんな1作目の『ともだちや』から始まった「おれたち、ともだち!」シリーズ(内田麟太郎 作/降矢なな 絵)。きょうはその最新刊、13巻目の『さよなら ともだち』をご紹介します!
この写真のヘルメットは、1作目『ともだちや』でキツネがかぶっていたのを再現したものです!
キツネが語りはじめた、むかしの話
ある夜、仲良しのキツネとオオカミは、ふたりで縁側に並んですわっていました。オオカミはあることをキツネに聞きたいと思っているのですが、うまく尋ねられません。
それは「キツネ、おまえも さびしかったか」ということ。キツネと出会ってともだちになるまで、オオカミはさびしい気持ちでいたからです。
すると、ちょうどキツネが自分から話し始めました。「ぼく、キツネやまに いたんだよ」。
キツネやまを出てから「ともだちや」を思いつくまで。キツネの過去が明かされる
キツネがいたキツネやまは、どんなところだったか。どうしてやまを出てきたのか。この森に、どんな風にさびしかったか……。むかしのことを話すキツネに、オオカミは自分を重ねました。オオカミも、オオカミやまをおりてきていたのです。
さびしかったキツネは、1時間100円でともだちになる「ともだちや」を思いつき、さびしさをふき飛ばすように、大声で歩きはじめたのでした。「えー、ともだちやです。ともだちはいりませんか。さびしい ひとは いませんか」。そしてふたりは出会いました。
今ではなつかしい思い出です。オオカミも、この森でひとりさびしく暮らしていたところに、キツネの声を聞いたときのことを思い出しました。
さよならは、であいのはじまり
出会ったときのことを、あらためて思い出したふたり。もう真夜中だというのに、なんだかうれしくて、森に出かけていき、大声でうたいました。
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オオ! カミさま!♪
これまでのシリーズ各巻で、やきもちをやいたりけんかをしたりと、悩んでぶつかってきたふたり。その強い絆が、改めて描かれた最新刊です。キツネの思い出シーンも印象的。ほかの12冊も、どれを読んでも楽しめます。ぜひ一緒に読んでみてくださいね。