夫婦イラストユニット・はらぺこめがねが描く、2026年4月発売予定の新刊『しょくどう』は、街の食堂を舞台にした絵本です。企画がスタートした2022年から4年のあいだに、著者のおふたりと都内近辺のいろいろな食堂へ訪れました。うかがった10軒ほどのお店は、どこも個性的で、くつろげる雰囲気があり、また行きたい!と思う場所ばかり。ここではそんな「おいしい取材」のこぼれ話を、発売に先がけてご紹介します。
浅草寺のすぐそばの道を入っていくと見えてくるのが、「浅草 水口食堂」。その外観からしておいしそうな気配がただよってくる、1950年創業の老舗の定食屋さんです。
絵本の表紙にどん、と構える食堂の建物から、絵本で最初に描かれるハムエッグ、それに大テーブルにならぶハンバーグやコロッケまで、たくさんの絵のモデルにさせていただきました。

青いひさしと、ずらりと並ぶ食品サンプルが目印。一階はテーブル席、二階は座敷席になっています。
壁には、数えきれないほどのメニューがずらり。好きなものを好きな組み合わせで注文して食べる、食堂の醍醐味をめいっぱい味わえます。下町人情を感じる店員さんの気さくな雰囲気もあり、著者のおふたりのイメージする「大衆食堂」に、これ以上なくぴったりのお店でした。
おかずには必ず、キャベツとパセリ、その横にポテトサラダとオレンジが添えられていて、目にも楽しく、食欲をそそります。そして、どのメニューも本当においしいのです。手作りのあたたかさがあり、ひとくち食べると「おいしい!」という言葉がとびでるお味です。取材の時間をつうじて、食堂という場所独特の楽しさと居心地のよさを、あらためて感じることができました。


しょうが焼きをほおばる男性は、食べものの絵を担当する原田しんやさんがモデル。気持ちのいい食べっぷりです。


食べものの絵は、すべて撮影した写真をモデルに描かれています。こちらは大テーブルのページ。絵本とはちがいますが、お店のピンク色のテーブルもかわいらしいです。
じつは、2回目の取材の日、おどろいたことがありました。おいしいごはんで満腹になり、最後に厨房におじゃまさせていただいたときです。絵本のラフに描いていたお店の大将が、水口食堂の料理人さんと、なんとそっくりだったのです! 人物や背景の絵を担当する関かおりさんも、これにはびっくり。思いがけない偶然の一致に、水口食堂さんで取材させていただいた運命を感じ、がぜん盛り上がるわたしたちでした。
絵本『しょくどう』では、ほかに伺った食堂のメニューや内装も、たくさん参考にしています。
つぎの記事でくわしくご紹介しますので、食いしん坊のみなさま、ぜひお楽しみに。
(編集部 中嶋)



