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今週のおすすめ

家族愛たっぷり! うさぎの一家を描く「ラビッタちゃん」シリーズ

今回ご紹介するのは、家族のあったか〜い愛情の物語を、春夏秋冬の季節を通して描く「ラビッタちゃん」シリーズ(かじりみな子 作)。北欧ラップランド地方のサーミの人々の衣装や文化がとりいれられた絵本です。主人公のうさぎ一家のほかにも、たくさんの動物たちが登場する、動物好きにはたまらないシリーズです!

ラビッタちゃん、はじめてのおつかい『ゆきがふるまえに』

 第1作目『ゆきがふるまえに』は秋のお話。

 主人公のラビッタちゃん一家が暮らすのは、北の国の、町から離れた山の上。この日、ラビッタちゃんは、生まれたばかりの妹のお世話や、冬じたくで忙しいお父さんとお母さんの代わりに、初めてひとりで山をおりて、町までおつかいにでかけることになりました。

 町には、たくさんの動物たちが行き交い、とってもにぎやかです! お届けもの屋さんや、毛糸屋さん、本屋さんなどで買い物を終えたラビッタちゃんでしたが(ちなみにお代はにんじん!)、くたびれてベンチで居眠りをしてしまいます。目が覚めるとあたりはすっかり暗くなっていました! ラビッタちゃん、無事におうちに帰れるの? 

妹のピョコラッタちゃんがまいごに! 『わかくさのおかで』

 2作目の『わかくさのおかで』は春のお話。

 1作目で生まれたばかりだった妹のピョコラッタちゃんも大きくなり、すっかりお姉ちゃんになったラビッタちゃん。ある日、春の野原へピクニックにでかけます。ところが、夢中で遊んでいるうちに、ラビッタちゃんは、ピョコラッタちゃんを見失ってしまいました。ヒヤリ! とするお姉ちゃんの不安な気持ちが伝わってくるお話。

 ピクニックのお弁当に家族でつくるおいしそうなお料理にも注目です。

海の向こうへ大冒険! 『しおかぜにのって』

 3作目の『しおかぜにのって』は夏のお話。

しおかぜにのって

 ラビッタちゃんのお母さんのお腹のなかには、もうすぐ生まれる赤ちゃんがいます! その赤ちゃんに会いに遠くからやってくるじいじとばあばを迎えに、姉妹はたったふたりでカヌーに乗り、海を渡って空港に向かうことになりました。途中トラブルに見舞われながらも、まわりの動物たちに支えられ、空港にたどりつきます。

 この巻のみどころは、さわやかな潮風がこちらにまで吹いてきそうな、うつくしい海の表現と、100匹以上の動物たちが描かれた、にぎわう空港のロビー! キャビンアテンダントやパイロットがいるのはもちろん、ワニたちは家族旅行に行くのかな? キリンは都会から来たのかな? など様々に想像して楽しめる、いつまでも眺められる場面です。

氷の上をそりで移動!『こおりのむこうに』

 4作目となる『こおりのむこうに』は冬のお話。

 雪にとじこめられて、お家の中で冬を過ごすラビッタちゃん一家。ところが、弟のピントパットくんの具合がよくありません。家族は5人でそりにのって、凍った湖をわたり、大きな病院へと向かいます。一家の気持ちも空気もぴんとはりつめた外の世界から、安全で暖かい病院の室内に入るシーンでは、こちらも温もりに包まれるようなほっとした気持ちになります。

 病院は、待合室、診察室、薬局などが描かれ、リアルさがある一方、洞窟のような柱や、赤々と燃える暖炉などもあり、絵本ならではのワクワクするような場所になっています。

 2作目の刊行時のインタビューで、「小さな家に必要最低限の家財道具があり、仲のよいパパとママがいて、子どもたちがのびのびと過ごしている。自然はときにきびしいけれど、その自然とともに生きている。そんな理想の姿を、ラビッタちゃん家族で表現したい」と語られているかじりさん。

 どの作品も家族が結束することの大切さ、平等な愛情が伝わってくるあたたかな絵本です。

おまけ

 実は、この絵本には主人公のラビッタちゃん一家のほかに、4作を通して登場する動物がいます。それは、オオカミのラブラブなカップルと、仲良しのカピバラ一家! 本文では言及されませんが、絵本の場面をよくみていると、それぞれのストーリーもみえてきそうですよ。ぜひご注目ください!

『しおかぜにのって』より

『こおりのむこうに』より

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今日の1さつ

推理小説で、怪奇小説で、歴史小説。なんて贅沢な一冊!そしてどの分野においても大満足のため息レベル。一気に読んでしまって、今から次回作を楽しみにしてしまってます。捨松、ヘンリー・フォールズなど実在の人物たちに興味が湧いて好奇心が刺激されています。何よりイカルをはじめとするキャラにまた会いたい!!(読者の方より)

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