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作家が語る「わたしの新刊」

春の絵本『わかくさのおかで』かじりみな子さんインタビュー

ゆきがふるまえに』で絵本作家デビューされたかじりみな子さんから、うさぎのラビッタちゃん一家のその後を描く、春の絵本が届きました!

前作ではじめてのおつかいにでかけたラビッタちゃん。今回はうつくしい春の丘へ、家族みんなで楽しいピクニックへでかけます。絵本のページをひらくたびに丁寧に描きこまれたうつくしい絵にうっとりとする作品。

うさぎのラビッタちゃん一家のうしろには、気になるたくさんの動物たちも登場します。この動物たちにも、実はかくされたストーリーがあるそうですよ!


––––ラビッタちゃんが登場する2冊目の絵本ですね。ますます絵が緻密にうつくしくなり、すみずみまで眺めていたくなる絵本です。絵本づくりにおいて、1冊目からなにか変化したことはありますか。

1冊目は、とにかく一生けんめい描きました。でもその一生けんめいさが読む人には少々重たく感じられてしまうようだったので、今回は軽やかさとさわやかさを意識して描きました。

––––かじりさんの描く物語は家族がテーマになっていますね。

災害のニュースを見るたびに、あたりまえのように過ごす家族のありがたさを感じます。

小さな家に必要最低限の家財道具があり、仲のよいパパとママがいて、子どもたちがのびのびと過ごしている。自然はときにきびしいけれど、その自然とともに生きている。そんな理想の姿を、ラビッタちゃん家族で表現したいと思いました。

––––衣装などが、北欧をモチーフにしていると伺いました。北欧文化のどのようなところに魅力を感じていますか。

北欧ラップランド地方のサーミ族の衣装と家をモデルに描きました。まっ白な雪原に青や赤のはなやかな色が映えて美しいと思いました。サンタクロースが住んでいることでも有名です。素朴だけれど、自然がゆたかでぬくもりがある、あこがれの文化です。

––––今回はおいしそうな食べものも登場しますね。このお料理はかじりさんのオリジナルですか。

にんじんのサンドイッチは、実際ににんじんを切り、庭でつんできたタンポポの葉っぱをはさんで描きました。いちごをのせたパイは、カレリアパイという北欧フィンランドのソウルフードからイメージしました。本当のカレリアパイは、ライ麦の生地にミルクがゆをのせて焼いた、しっとりほっくりした食べものですが、今回はかりかり食感が好きなうさぎにも、読んでくれる子どもたちにもおいししそうに見える春らしい食べものにアレンジしました。

ジュースの入った水筒も、こだわりました。最初はママが持ち、次にパパが持ち、さいごにピョコラッタちゃんが持ちます。そしていちばんさいごは花びんになります。家族を思う気持ちのバトンになっています。

––––ニッコウキスゲなど春の花も楽しみました。絵本を描くにあたり取材に行くなどもされているのでしょうか。

奥日光の戦場ヶ原にワタスゲの綿毛を見にいきました。信州上高地にも行きました。時期的には、春というより夏ですが、高地は平地より春のおとずれが遅いので、新緑の季節を春とすることにしました。ワタスゲの綿毛とニッコウキスゲの開花が同じ時期に見られるときがあることを知り、そんなようすを絵本に描きたいと思って描きました。

––––ラビッタちゃん一家のそばでピクニックをするカピバラ一家や、運動をするオオカミなど、また別の物語がありそうな動物がたくさん登場し、そちらも気になります!

『ゆきがふるまえに』で描いた動物たちのなかから、人気のある動物を登場させてみました。

カピバラ家族は、前回お父さんと娘で本屋さんにいたのですが、出産で実家のある南米に帰省していたお母さんが、出産を終え春になって合流したようすを描いています。狼は、前回彼女と楽しくデートしていたのですが、春になってますますカッコよくなるために、日夜トレーニングにはげんでいます。大食漢のワニとペリカンは意気投合して、魚がたくさん食べられる穴場の湖に遊びにきています。

ほかにも、春の空気にふれながら一日じゅう本を読みふけっているふくろう、白鳥家族、結婚式をあげるシギ、etc……探してみてくださいね。

––––いちばん思い入れのある場面はありますか?

ぜんぶです(笑)と言いたいところですが、虹が見えるシーンは、私自身が描きながら「ああ、やっと虹が見えた」(ゴールまであと少し!)と思いました。

私は1ページから順番に描いていくので、ラビッタちゃん家族とともに旅をしている気分になります。描いている期間を考えると、とても長い旅路なのです。

––––これからどんな絵本を描いていきたいですか。

子どもが楽しい、おもしろいと思ってくれるような絵本が描きたいです。
それから、なにより私自身がワクワクして描きたくなるようなお話を描いていきたいです。

〈原画展開催決定!〉

かじりみな子 絵本原画展 (『わかくさのおかで』、『ゆきがふるまえに』の原画展示)
会場:MIDORIYA(ブックセンター滝山本店となり)
住所:東京都 東久留米市滝山5丁目12−20
会期:2019年3月21日(木)〜2019年3月31日(日)
*3月24日(日)11:00〜12:00 絵本の作者さんに会おう!サイン会&絵本トーク
*3月21日(水)24日(日)31(日)絵本のお料理食べてみよう「絵本カフェ」開催予定

春色ピクニック 『わかくさのおかで』 かじりみな子原画展
会場:蔦屋家電
住所:東京都世田谷区玉川1丁目14番1号 二子玉川ライズ S.C. テラスマーケット
会期:2019年4月11日(木) 〜 5月2日(木)


かじりみな子 
1976年、兵庫県姫路市生まれ。武蔵野美術大学油絵学科卒業。学生時代はサイクリング部に所属し、自転車三昧の日々をおくる。卒業後「あとさき塾」にて絵本作りを学び、娘の成長をきっかけに本格的に創作をはじめる。絵本に『ゆきがふるまえに』『ふたつでひとつ』(偕成社)、さし絵に『ドリーム・アドベンチャー〜ピラミッドの迷宮へ〜』(偕成社)、『ライオンつかいのフレディ』(文研出版)などがある。東京都小平市在住。http://kajiriminako.jugem.jp/

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今日の1さつ

姪の子供から借りて読み始めたらおもしろくって、もうすぐ70歳の私もすっかりはまってしまいました。我が孫たちに読ませようとさっそく全巻購入しました。春に他県から越してくる孫たちと共通の話題で盛り上がりそうです。ババ仲間にも口コミしています。ちなみに紅子さんは渡辺直美さんをイメージしてしまいます。(読者の方より)

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