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編集部だより

プチ連載企画〜編集者のひみつ道具をご紹介!その3

 みなさんこんにちは。今月下旬のフルマラソンにむけて必死でリハビリしている編集部の藤田です。そうリハビリ……。
 さて今回の「編集部だより」はワタクシ、2月23日に箱根駅伝の3区を走ってきましたのでそのレポートを元気よく……ではなかった、「編集者のひみつ道具」でしたね……はい! あるある、ありますよ。編集作業で必須、というものではありませんが、まさに私が仕事においてもっとも大切にしているもの、それはコチラ!

箱根駅伝3区の戸塚中継所に置かれる黒くて古びた牛革のシンプルな筆箱

年季の入った筆箱(撮影地:箱根駅伝3区 戸塚中継所)

 牛革の筆箱です。これぞ筆箱ですね。小学校入学時(1981年4月)に親に買ってもらったもので、41年まえ……うぎゃ! そんな前か。お祝いで新宿の伊勢丹で買った、とだいぶまえに母から聞きました。よくみると「ふじたたかひろ」と書いてあります。

箱根駅伝3区ゆぎょうじの坂で撮影された筆箱のうらがわ。「ふじたたかひろ」と白くうっすらとかいてある

母の文字ですね。シールは比較的さいきん東京の深大寺で買ったもの(撮影地:箱根駅伝3区 遊行寺坂)

 そして正面には切れ目が。これは私がもらった日にカッターで切りました。

ざっくりと切れ目が。(撮影地:箱根駅伝3区 浜須賀交差点)

 当時、小学生にはボタンで引き出しがカシャッと飛び出す筆箱が大流行。私もそれがほしくてたまらない。だがしかし、もらったのはただの四角い黒い箱。
 (これは引きだしがいるな……)そう確信した私はカッターでギリギリと切り込みをいれたのでした。これでよし、と。

湘南の国道134号線を背景にうつる黒い牛革の筆箱

ポケットができたとうれしかった記憶が。(撮影地:箱根駅伝3区 国道134号線)

 この深遠な切れ目を見た親が、なにを言ったのかは覚えていません。それなりに叱ったのでしょうが、小学生時代は茫漠と過ごしたのであんまり覚えていない。記憶しているのは、友だちをいびる上級生にとびかかったが返り討ちにあい土下座させられたことぐらい。これひとつあれば十分な記憶ですね。

遠足で駆けだしそうな少年

小学生時代の私。「卑怯なことだけはするな。エビはしっぽまで食べろ」と父にたたきこまれていた……。

輝く湘南の海を背景にフタをひらいた黒い牛革の筆箱。ヘビーメタルバンドのステッカーが二枚貼ってある

メタルバンドのステッカー。伊藤政則さんに心酔していたあの頃。(撮影地:箱根駅伝3区 湘南大橋)

 ステッカーは中学から高校にかけてヘヴィー・メタルひとすじだった名残りです。人に歴史あり。当時、何枚ものアルバムの歌詞をまるごと記憶したため英語はけっこうできた。つまりは「Death!」とか「Die!」とか「Kill!」とか叫んでいたわけですが、あるとき姉が部屋のドアから顔をのぞかせ深刻そうに「タカヒロ、だいじょうぶ?」と言ってました。ぜんぜんダメです。

 この筆箱をみると、懸命に3人の子育てをする30代そこそこの母の姿が浮かびます(のちに4人になった)。そんな母ですが、もう20年前……ぐらいから元気にスキー場の受付やってます。コロナで3年以上会ってない。会いに行かなきゃ。

孫のためにソリをひく私の母。酸素のうすい高地に暮らしている。

 というわけで私の人生で、まちがいなくもっとも長く、そして大事にしている「ひみつ道具」がこの筆箱です。編集の話、は皆無でしたが……ではまた! 

41年ともに歩んできた筆箱。(撮影地:箱根駅伝3区 平塚中継所。ゴール)

(編集部 藤田)

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「シノダ!」シリーズを卒業した子どもたちに勧めたくて購入しましたが、大人の私が夢中になりました。実在の人物も含め、あれだけ豪華な人々を登場させてあるのだから、これだけで終わらせないでください。イカルとトヨ、2人の少女のこれからや、謎だらけのアキラ、トノサマなど、知りたいことが満載です!(読者の方より)

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