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絵本作家の「こどもとあそぶ」

第2回

トイレットペーパーの芯〈三浦太郎〉

絵本作家や児童文学作家の方に「こどもとのあそび」を教えてもらう連載。第2回は、はたらくくるま『よいしょ』『とどくかな』『まかせとけ』などの絵本を手がける三浦太郎さんです!

 僕の娘はもう中学校一年生。背が高く、クラスで一番後ろ。もう、絵本『くっついた』の赤ちゃんの面影はありません。当たり前ですね。
 最近、娘とべったり一緒にいた時期が終わったからなのか、まだ小さかった頃のささいなことを思い出すようになりました。その一つが工作です。

 我が家では、子どもがおもちゃを欲しいと言っても、すぐに買いませんでした。子どもをつれて買いに行くのは面倒だし、インターネットでそんな気軽に注文する時代でもありませんでした。また、子どもは、言い出してもその時だけですぐに忘れてしまうし、買ってもすぐ飽きるし。だったら家であるもので作ろうか、となるのです。
 とはいえ、家にはたいした材料はありません。ダンボール箱、新聞紙、割り箸、ストロー、紙コップ、中でもよく使ったのが、トイレットペーパーの芯です。あまり衛生的ではないので、大きな声では言えませんが…。そんなこともあり、うちでは捨てずにストックしていました。

 これらの工作は娘と一緒に作るのですが、小さいうちから全てまかせてしまうと工作も絵もぐちゃぐちゃになってしまうので、あくまでもお父さん中心で作ります。僕が娘と二人きりで過ごすのが苦手だったのは、子どもに合わせようとすることで、自分の楽しみを抑えていたからではないかと思うのです。親が楽しんでやることを子どもも楽しめばいいのだと気づいたのは、4歳くらいになってからでしょうか。
 もちろん年齢が上がるにつれ、子どもにまかせる部分を増やし、最終的には発想から製作まで自分でできるようになることが理想ですね。子どもは、単純にのりの付け方や色のぬり方などを教えればどんどん吸収するので、そういった成長を観察できるのも工作の面白さだと思います。

  当時、実際に作ったロケットと機関車を紹介します。これらは、僕が土台の部分や形そのものを作り、子どもは発想と色ぬりを担当しました。ロケットはトイレットペーパーの芯から発想しやすいですね。どんどんつなげたら何になるんだろうと二人で考えたら、長~いロケットになりました。中でも僕のお気に入りの機関車は、ロシアの構成主義を彷彿させる造形美(笑)。こちらは、偶然組み合わされた形から生み出され、煙突から出した新聞紙が臨場感を増し、素晴らしい作品に仕上がりました。

 工作で娘と過ごした時間は、今でも僕の大切な思い出になっています。みなさんも、お父さんの趣味を生かした工作を楽しんでみてはいかがでしょうか。


三浦太郎
1968年愛知県生まれ。大阪芸術大学美術学科卒業。ボローニャ国際絵本原画展入選。2004年『Je suis…』で絵本作家としてデビュー。おもな作品に『くっついた』『ぼくはまる』『バスがきました』『おしり』『CO2のりものずかん』『おはなをどうぞ』、「はたらくくるま」シリーズの『よいしょ』『とどくかな』『まかせとけ』『ちいさなおうさま』『おおきなおひめさま』などがある。

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今日の1さつ

娘がまだ0歳のときから読み聞かせています。本の絵、色、デザイン、こまかいところまで子どもは見逃さないんですね。親がスルーしてしまうところも気がつく、そんなおもしろさが子どもには魅力なんですね。絵本から子どもがはじめて学ぶことはたくさんあります。これからも愛読したい本です。(2歳・お母さまより)

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