“OUTSIDE OVER THERE” は、前述の2作と並んで「センダック3部作」と呼ばれる代表作です。かつて『まどのそとのそのまたむこう』(福音館書店刊)として出版されていたその作品が、2019年11月、詩人のアーサー・ビナードさんによる新訳で刊行されました。これを読まずしてセンダックは語れません!
今回訳を手がけたアーサー・ビナードさんは、原書の“OUTSIDE OVER THERE”が刊行された当時、中学生でした。センダックが好きだったため、繰り返し読みながらも、本にこめられた意味については当時あまり意識していなかったといいます。しかし、数年にわたり今作の翻訳に取り組むなかで、「この絵本でセンダックは、『互いに向き合わない』ということに警鐘を鳴らしていたのでは?」と考えるようになり、今回の新しい訳文が誕生しました。