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編集部だより

海外の本が、日本語で読めるようになるまで

2023.03.22

今回の編集部だよりでは、2~3月の新刊〈ぼくは学校ハムスター〉シリーズを例に、「海外の作品が日本で出版されるまでの流れ」についてお伝えしよう……と思ったら、あれあれ? 本の中から、主人公のハムスターがとびだしてきましたよ!

はじめまして~。ぼく、ハムスターのハンフリー。
ロングフェロー小学校の26番教室で飼われているペットだよ。

最近、ぼくの本が3冊出たんだ。
アメリカ人のベティ・G・バーニーさんが書いたお話を、翻訳家の尾高薫さんが日本語に訳してくれた。自分でいうのもなんだけど、ぼくが大活躍する物語だよ!

ところで、ぼくの本はどんなふうにして日本語で出ることになったのかな。尾高さんに聞いてみたよ。

ある日、海外の本を出版社に紹介する会社(版権エージェンシー)で英語の読み物をさがしていたとき、たーっくさんあるなかで、ぼくの本をみつけたんだって。版権エージェンシーの人もおすすめしてくれたらしい。

アメリカのペーパーバック版の表紙

 

尾高さんが読んでみると、とってもおもしろくって、日本の子どもたちにも読んでもらいたいなぁって思ったんだ。
そこで、偕成社の人に連絡して、どんなお話なのかをくわしく説明した。
そしたら、その人も「いいね」って思って、会社で企画が通ったんだって。
版権エージェンシーの人に連絡したら、原作者のバーニーさんもOKしてくれて、日本語版が出ることになったんだよ。やったね!

そこから、尾高さんの翻訳作業がはじまった。
尾高さんは、せっかくなのでハムスターのことをもっとよく知りたいと思って、ぼくと同じゴールデンハムスターを飼いながら訳すことにしたんだって。だから文章が生き生きしてるでしょ。訳しているときは、夢のなかでもぼくとおしゃべりしてたそうだよ。

尾高さんちのハンフリー・ジュニアくん(呼び名はハンフ)

 

実は、ぼくのお話の英語版には、絵がついていないんだ。
偕成社の人が、日本語版にはぼくやカエルのオグや26番教室のみんなの絵を入れたいと思って、イラストレーターのももろさんにお願いしたんだよ。
ももろさんがみんなをかわいく描いてくれて、とーってもうれしい。

編集部におじゃまして、こんな質問をしてみたよ。
「ぼくの本は、翻訳者の尾高さんが偕成社に紹介してくれたけど、
海外の作品をさがす方法はほかにもあるんですか?」

そしたら、いろんな答えがかえってきた。
「版権エージェンシーにはいつも海外の新しい本の情報が集まってくるので、たくさん紹介してもらっています。」
「直接、海外の出版社から見本データが送られてくることもあるよね。」
「子どもの本を紹介する雑誌やサイトで、好きな作者の本をチェックすることもあるなぁ。」
「ブックフェアなどで、実際の本を見ることもありますよ。」
「ネット書店で洋書を見たり、ときには古本を買ったりね。」
「訳者の方からおすすめいただくことが多いかな。」

本と出会うきっかけは、いろいろなんだね。みんなも、ぼくの本に出会ってくれるとうれしいな!

教えてくれてありがとう、ハンフリー! そろそろケージ……いや、本の中にもどる時間だよ。またね~。

(編集部 W)

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