みなさんこんにちは。走ってばかりの編集部・藤田です。
とはいっても収穫の秋、走ってばかりではいられません。
先月今月と田んぼで稲刈りと脱穀をしてきました。
今回はそのご紹介です。
私は5年ほど前から、栃木・茂木町の棚田で稲作をしています。
といっても月にいちど作業をするだけ、田んぼオーナー制度です。
![山間の田んぼと青い空。遠くで麦わら帽子のおじさんが草刈りをしている。](https://kaiseiweb.kaiseisha.co.jp/wp-content/uploads/2018/10/IMG_0518-655x491.jpg)
これは8月。青々とした田んぼ。草刈りもたいへん。
まずは先月9月半ば、稲刈りです。
![秋の棚田のようす。山間の青い空の下に黄金の稲穂がゆれる](https://kaiseiweb.kaiseisha.co.jp/wp-content/uploads/2018/10/edt_181024_002-655x491.jpg)
9月になるとこんな感じ。実るほどこうべを垂れるなんとやら、ですね。
ノコギリ鎌で刈りとりますが、驚くべきは、いとも簡単に刈れること。ウエハースのようです。
これは夏のあいだに田んぼの水を抜いて、根元を枯らせておいたから。
先人の知恵ですね。弥生人? に敬服です。
でもしゃがんだ姿勢で何時間もやるので、さすがに腰が痛くはなります。
![子どもが二人、稲刈りをする様子。黄金色の秋の田んぼ](https://kaiseiweb.kaiseisha.co.jp/wp-content/uploads/2018/10/edt_181024_003-655x491.jpg)
子どもでも簡単に刈れる。ざっくざっくと、なかなか刈りがいがある。
刈りとった稲は、5、6株ぶんまとめて藁で束ねます。これもけっこう大変。
ここで登場するのが、バインダーと呼ばれる農機具。
ヤツはすごい。刈りとるのと同時に束ねてもくれます。
しかも熱で圧着でなく、きちんと結んである! 小人が中にいるに違いない。
![コンバインで稲刈りをするお兄さん](https://kaiseiweb.kaiseisha.co.jp/wp-content/uploads/2018/10/edt_181024_004.jpg)
機械も使わないと間に合わないので、ガーッと。
![稲束の結び目のアップ。](https://kaiseiweb.kaiseisha.co.jp/wp-content/uploads/2018/10/edt_181024_020-1.jpg)
なんということでしょう。結んである。
で、稲の束は稲架がけにして干します。
![はさがけをするみなさんの様子。竹を組んでいる人も。](https://kaiseiweb.kaiseisha.co.jp/wp-content/uploads/2018/10/edt_181024_006-e1539655715691.jpg)
山で切ってきた竹で稲架をくみ、干す。
![子どもがふざけて稲束をあたまからかぶって雪んこのような姿に。](https://kaiseiweb.kaiseisha.co.jp/wp-content/uploads/2018/10/edt_181024_007.jpg)
これだけまとまるとけっこうな重さ。
![稲架がけとヒガンバナと青い空。](https://kaiseiweb.kaiseisha.co.jp/wp-content/uploads/2018/10/edt_181024_008-655x491.jpg)
稲架がけとヒガンバナと青い空。
いいですねえ。日本の原風景。
はじめてのとき、8割がた干しおわったあとで、稲架がバキッー! と折れて、すべて倒れました。
一からやり直しで、心もいっしょにバキッー! です。
続いて今月は脱穀でした。3週間ほど干したのがコチラ。
![10月の田んぼの風景。稲架がけされた稲。](https://kaiseiweb.kaiseisha.co.jp/wp-content/uploads/2018/10/edt_181024_009.jpg)
今年は9月16日に稲刈り、台風をはさんで10月7日に脱穀。
![乾燥した稲束のアップ。](https://kaiseiweb.kaiseisha.co.jp/wp-content/uploads/2018/10/edt_181024_010.jpg)
よく乾いたかな。
そうして干した稲藁を、稲架から外して、どんどん脱穀機にかけていきます。
![キャタピラのついた大きな脱穀機をうごかす3人の大人。稲架にそってうごかしている。](https://kaiseiweb.kaiseisha.co.jp/wp-content/uploads/2018/10/edt_181024_011-655x491.jpg)
農機具は工夫の宝庫。「必要は発明の母」の見本のよう。
機械のなかでは籾が稲からとれて、袋にガシガシ落ちていきます。籾は、殻のついたままのお米のことです。
籾をとった稲藁は右側に出てきて、田んぼにばさっと落ちる。
![袋におちる籾のアップ。](https://kaiseiweb.kaiseisha.co.jp/wp-content/uploads/2018/10/edt_181024_012.jpg)
籾が袋に落ちていく。
![脱穀機から籾のとれた稲藁が田んぼに落ちていく。](https://kaiseiweb.kaiseisha.co.jp/wp-content/uploads/2018/10/edt_181024_013.jpg)
藁が田んぼに落ちていく。
稲刈りのときのコンバインといい、この脱穀機といい、「ノーベル農機具賞」があればこれらは毎年受賞レベルのすぐれものです。
稲架に使った竹も、毎年もちろん再利用。
![竹をはこぶ大人。](https://kaiseiweb.kaiseisha.co.jp/wp-content/uploads/2018/10/edt_181024_014.jpg)
わっせわっせと運ぶ。
![山ぎわの畦道におかれた竹の束にトタンをかぶせている。](https://kaiseiweb.kaiseisha.co.jp/wp-content/uploads/2018/10/edt_181024_015.jpg)
田んぼでよく見るトタンは雨よけのためだった!
藁も業者さんに売って畳の中身になったりします(今年は燃やしたけど)。
「稲作にはムダがない!」とつくづく思います。長年つちかわれてきた合理性のたまものですね。
![トラクターに山と積まれた藁の束。](https://kaiseiweb.kaiseisha.co.jp/wp-content/uploads/2018/10/edt_181024_016-655x491.jpg)
畳屋さんへと引き取られていく藁。
このあと、さきほどの殻つきの籾を「籾すり」という作業によって殻をとりのぞき、玄米(皮のついたお米)にします。
参加者には玄米の状態でくばられ、この5年でいちばん収穫の多い年は、ひと家族あたり60kg、昨年は40kgでした。
さて今年はどうでしょうか。
11月には収穫祭が行われて、おいしい新米をいただきます。
もちつきや、いのししの肉などもふるまわれ、1年の作業の苦労をみんなでねぎらいます。
![](https://kaiseiweb.kaiseisha.co.jp/wp-content/uploads/2018/10/edt_181024_021-655x491.jpg)
昨年2017年の収穫祭。よいしょー! ともちつき。一年の作業を終え、待ちに待った日でもある。
田んぼオーナー制度は日本中で行われているので、みなさんも興味があればぜひ参加してみてくださいね!
偕成社のお米の本は、コチラ!
シリーズ「おいしいごはんができるまで」1
『〈お米から〉そだてるおにぎり』
おにぎりができるまで、を稲を育てるところから、わかりやすくご紹介!
今回は「稲作・秋」でしたが、また来年に「稲作・春」をお伝えできればと思っています。
ではみなさま、よい食欲の秋を!
(編集部 藤田)