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作家が語る「わたしの新刊」

魔法のことばで、ちいさなドキドキをわくわくに。『あら、そんなの!』高橋和枝さんインタビュー

のらねこのプーは、初めて人間のお誕生日パーティーに招待されました。でも、服もなくてはだかんぼうだし、プレゼントできるものもないし、どうしよう……と、悩んでしまいます。そこで、仲良しのたまみさんに相談すると、「あら、そんなの!」と、魔法のことばで素敵なアイデアをくれました。楽しみだからこその緊張感という誰にでもある心の動きをとらえた愛らしい絵本です。

今回の絵本の種はどのようなところから生まれましたか?

たまみさんには、モデルとなったかたがいます。身の回りの小さなこと、それぞれひとつひとつに小さな工夫をして、なんでもないようなものをあっというまに「ちょっと楽しい」「ちょっとおしゃれ」に変身させてしまうかたです。そのかたを見ていて、小さな子でもできるようなすこしの工夫で、おしゃれな洋服をぱぱっと作る絵本ができたらいいな、と考えるようになりました。

始める前にいろんなことが心配になってしまう、小心者の猫のプーのかわいらしいお話、共感できる方も多いのではないかと思いました。高橋さんはプーと、たまみさん、どちらに似ていますか?

絵本を作っているときは、圧倒的にプーに感情移入をしながら作っていました。でも冷静に考えてみて、たまみさんもまた、わたしらしいなあと思います。
けっこうおおざっぱで、「なんにも考えずに(パーティーへ)行ったらいいのよ」と無責任にアドバイスする楽観的なところが。

プーのような性格の人にとっては、たまみさんのようにはなかなかなれないし、「なぜそんなに楽天的なのー!」と思いつつもこういう人に気持ちの面で大いに助けられることも多いなあ、と思います。

自分以外のひとの気持ちに本当の意味で共感することは無理だし、すべてをわかりあえるということはないと思うので……たまにイラっとすることもあるでしょうが、プーはたまみさんを、とても信頼しているようです。たまみさんの考え方が好きなのでしょうし、憧れているんじゃないかと思います。

高橋さんは、この「あらそんなの!」という、おまじないようのような素敵な言葉をかけてもらったり、ご自身で使ったりした、思い出がありますか?

あるのじゃないかと思うのですが……思い出せないです。

ただ、ねこのプーは、たまみさんのモデルとなったかたが実際に飼っているねこで、オスねこなのです。ねこにドレスを着させる展開を思いついたときに、はじめわたしは「じゃあ、プーは女の子の猫にしたほうがいいだろうか」と思い込んでしまいました。そして、本当は男の子なのに、わたしの都合で女の子にしてしまうのは申し訳ない……と、心が苦しくなりました。悩んでいたら編集者さんが「男の子のままでいいじゃないですか」とおっしゃってくださって、「ああ、ほんとうだ」と気がつき、気持ちがふわっと軽く、明るくなりました。

実際に「あら、そんなの」と言われたわけではないですが、「あら、そんなの!」だなあって思いました。

小さくてかわいらしい絵本です。

編集者さんと話しあって「この絵には、小さなサイズがあうね」という結論になりました。いま、見てみて、「プーにはこの大きさがあっているなあ」と思います。

いつもどのようなことを考えながら、絵本をつくっていますか?

できるだけ嘘のない表現をしたいと思いながら作っています。
作りながら、絵も、どうやって描いたら正直な絵になるんだろうと、毎回悩みながら描いています。

これから描いてみたいテーマはありますか?

いまは、プーとたまみさんの続編が描けたらいいなと思っています。「ここにいていいな」って、あんしんできるような本にできたらいいな、と。まだ夢想の段階ですが。

ありがとうございました!


高橋和枝

1971年神奈川県生まれ。東京学芸大学教育学部美術科卒業。おもな作品に『くまくまちゃん』『りすでんわ』『くまのこのとしこし』『あ、あ!』などがある。

 

 

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