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作家が語る「わたしの新刊」

日常の中の違和感を逃さず、おもちゃ作りに生かす!『ふきさんのクイックおもちゃ大百科』佐藤蕗さんインタビュー

家にある材料にちょっとしたアイデアを足したら、こんなにユニークでかわいいおもちゃができちゃう! 「ふきさんのおもちゃ大百科」は、「ふきさん」こと手作りおもちゃ作家・佐藤蕗さんの楽しいアイデアがつまったおもちゃのレシピ集。シリーズ3作目『ふきさんのクイックおもちゃ大百科』刊行を記念して、佐藤蕗さんにお話を伺いました。

写真とイラストで手順をわかりやすく紹介します(「メイクが消えるコップ」より)。

シリーズ3作目となる本作のテーマは「クイックおもちゃ」。「簡単、すぐできる」をテーマにした理由はなんですか?

「ふきさんのおもちゃ大百科」シリーズの1冊目を作っているころから、3冊目は「クイックおもちゃ」にしたいと考えていました。職業柄、私の家には工作の材料が豊富にあるのですが、それはむしろめずらしい状況だろうな、と以前から思っていたんです。たとえば料理のレシピを見ていて、「これを作ってみたい!」と思っても、買い足す材料が多すぎると、私は作るのをやめてしまうんですよね。工作も同じで、やってみたいと思ったときの衝動が冷めないうちに、すぐに材料が用意できて、作ったり遊んだりできるというのが、親にも子どもにもとても大切なことだと思いました。

手順の多い工作は、作ること自体に楽しさや達成感がありますが、それに対して、シンプルで簡単なおもちゃは、アイデアや物事をとらえる視点がきわだつので、直感的に楽しめるものが多いと思います。

アイデアを生むために、日々心がけていることはありますか?

本書で紹介している「立つゆきだるま」のように、日常の中でフッと目にとまる、おもしろい違和感を逃がさないようにしています。「立つゆきだるま」は、水たまりに落ちていたもみじの葉っぱが、ほとんどすべて同じ向きになっていたところから考えた遊びです。

紙を二つ折りにして切り抜いた雪だるま。つまんで高いところから落としてみると、どうやってもピッと立つから不思議。

「立つ雪だるま」のアイデアのもとになった、モミジの落ち葉。

「色水あそび」も、水性カラーペンで書いた絵に水滴が落ちて絵が溶けてしまったときに、逆に溶けやすいっていうことかと気づいて、やってみたのが最初です。

水性カラーペンで好きな模様を描いたキッチンペーパーに、水をそそいでみると……きれいな色水ができました!

私の息子は今4歳と12歳ですが、とくに4歳の次男をみていると、日々いろんなことを発見して勝手に遊んでいるので、小さい子はもともと小さな発見をふくらませて遊ぶのが得意なんじゃないかなと思います。

本作の中で、思いついたときに一番テンションが上がったアイデアは何ですか?

「ビニール傘でプロジェクション」です。

絵を描いたビニール傘に光を当てると……壁や天井に、大きく絵が映し出されます!

ただ暇で傘に絵を描いて遊んでいただけだったのに、光を使うことで一気に空間全体で遊べるものになったので、テンションが上がりました。描きはじめたときから光を当てたら良いかも、と気づいて、実際に試してみるまでの全部の過程を息子といっしょに体験できたのが嬉しかったです。

描いた絵を壁に映しだす方法は他にもありますが、ビニール傘を使うと本当に簡単で合理的なので、みなさんにもぜひ試してほしいです。

最後に、読者にメッセージをお願いします。

3冊目もとっても楽しい本ができました! どれもすごく簡単でおもしろいので、気になったものからぜひ試してみてください。いろいろなアイデアをつめこんだので、どんどんアレンジして、好きなものを作るときの参考にしてもらえたら嬉しいです!

ありがとうございました!


佐藤 蕗
愛知県生まれ。建築設計事務所勤務を経て、第一子の出産を機にフリーランスに。育児をしながら作っていたおもちゃが反響を呼び、デザイナーやイラストレーターとしての活動のかたわら、造形作家として、雑誌や新聞、WEBなどで作品を発表している。2児の母。著書に『親子で笑顔になれる“魔法の手作りおもちゃ”レシピ』『ふきさんのアイデアおもちゃ大百科 ひらめいた! 遊びのレシピ』『ふきさんのシーズンおもちゃ大百科 季節を楽しむ遊びのレシピ』がある。

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今日の1さつ

2年前から一人暮らしです。書店で本を目にして、トガリネズミの愛らしいすがたに、つい買ってしまいました。主人公がとてもかわいくて、1ページ、1ページ色んなことを想像して、楽しくて、最後読み終わったとき、「そっか〜良かったね」と声が出てしまいました。ほんわかとやさしい気持ちになり幸せでした。(60代)

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