2022年の7月から「みんなの研究」という新しいシリーズを刊行しはじめました! 10月までに7冊を刊行する予定です。
どんなシリーズ?
このシリーズは、ひとつのことをつきつめている人たちが、いま熱中
していることについて書いています。テーマはそれぞれ。
10月刊行の2冊も加わり、7冊がそろいました!
「あこがれの生きものについて調べ、獲って、(できれば)食べる」「ナメクジのことをもっと知りたい!」「おもしろいものを自分の手で生み出したい」「深海の美しくもふしぎな生きもののこと」「とにかくたくさん食べる、フードファイトというスポーツ」……。
著者のみなさんはそれぞれのテーマを紹介しつつ、どうやって子ども時代をくらしていたか、どういうきっかけでいまやっていることにたどりついたか、そして、これからはどういうことをやっていきたいのか、などなどを書いてくれています。
何かに熱中している人の話はおもしろいし、そういう人はかっこいいと決まっています。とにかくかっこいい大人のことを子どもたちに知ってもらいたい、あこがれてほしいのだ! という気持ちで企画を考えていました。
わくわくしたい
文章や内容にはめちゃくちゃ自信があったのですが、やっぱり「ノンフィクション」となると、「どうせむずかしいんでしょ……」「まじめな大人の本でしょ……」と子どもたちに思われてしまうのではないか、というところが心配でした。
中身はせっかくわくわくしているのに、そういうラベルがついてしまってはもったいない! 考えた結果、本の造りや見せ方のこと(デザイン)を文平銀座の寄藤文平さんにご相談することにしました。
寄藤さんには、前に「世界のともだち」というシリーズのデザインをお願いしたことがありました。本の内容にもいろいろアイデアをいただいて、仕上がりは素敵としかいいようがないものに。1冊1冊がいいね、というのはもちろん、シリーズとしてならんだときの迫力、いうならば「シリーズです! どーん!」という感じがたまらなく、いまでもたまに本をながめてニヤニヤしてしまうほどです。
「世界のともだち」シリーズ。いろいろな国の子どもたちのくらしを紹介する写真絵本です
そのときから、また新しいシリーズを立ち上げるときはお願いしたいと思っていました。それから5年、満を持してお願いできるタイミングがやってきたのです。
ご相談に行ったとき、我々の心配しているところをすばやく理解した寄藤さんが「いいですね、やりましょう」といってくださったときの顔を忘れることができません。これでもう私の仕事は8割がた終わった……と思いました。
イラストは米村知倫さんにお願いしました。堅くなくて、でもゆるすぎず、ちゃんと世界を表現できる人にお願いしたい……という思いです。ナメクジ、イグアナからサッカー選手、世界の食べ物、かっこいい義足、ロボットまで、あらゆるジャンルのイラストを書いてくださいました。すごい!
ものをつくるときに、どんな順番でやっているのか……!という図解(『ものづくりっておもしろい! おもちゃからのりものまで』小林竜太・文 より)
ナメクジがいつふ化するかを調べる実験の結果の図(『チャコウラさんの秘密を知りたい! ナメクジの話』宇高寛子・文 より)
本の顔になるカバーだけでなく、本文の文字や(漢字とひらがなで別の書体をつかっています)、行と行のあいだにどれくらいの空きがあればよみやすいかなど、本文組もこだわって、見た目もわくわくするものができました。
全部どこもクールなんですけど、あえていうなら、以下のポイントを押さえて見ていただけるととうれしいです。
- 子どもたちが読みやすい、でもちょっと大人っぽくてかっこいい本文組!
- 全部が2色刷! 楽しい!
- 大迫力のカバー!
- とつぜんカラーで写真のページもあったりする!(巻によります)
- 本文の内容の図解がわかりやすく、わくわくする!
- 7巻並べてもかっこいい!
本文はこんな感じになっています!(『見たことのないものをつかまえたい! 世界の変な生き物探訪記』平坂寛・文 より)
みんなの研究通信(みんけん通信)
編集の仕事をはじめてからずっとあこがれていたものがありました。それは、本のあいだにはさまっている「お知らせ」やちょっとした「新聞」みたいなやつです。なんかオマケっぽいんだけど、ちょっとゆるくて、つい読んじゃう、みたいな……それを作る人になりたかった……。
というわけで、この「みんなの研究」シリーズで作ることにしました! その名も「みんなの研究通信」です(「みんけん通信」とも呼んでいます)。
「みんなの研究通信 その2」より。推し対決です!
ちょっとしたこぼれ話や、本の内容を違った角度からみてみるような記事を集めました。今のところ(2022年現在)、その3まであります。ぜひコンプリートしてみてください(をやればよかった……と今思いました。こんどやりたいです)。
私のおすすめ記事は、ナメクジ研究者の宇高寛子さんとメイカーの小林竜太さんの「推し対決!」です。推しナメクジと推し道具で対決してもらいました。こんな対決、なかなかないですよね。
というわけで、「みんなの研究」シリーズのご紹介でした。書店さんなどで見かけたらぜひ手に取ってみてください! これからもまだまだ続きます!
(編集部・秋重)