ニュース等でご覧になった方もいらっしゃると思いますが、2016年5月26日、井の頭自然文化園の象の「はな子」が亡くなりました。国内最高齢の69歳でした。
戦後「動物園に象が欲しい」と願った子どもたち。そしてやってきた2頭の象。そのうちの1頭が「はな子」です。「はな子」の名前は戦争中に亡くなった上野動物園の「花子」から名付けられました。
偕成社文庫『象のいない動物園』は、戦争で殺されてしまった象の一生だけではなく、その後やってきた象のことについても描かれている実話をもとにした物語です。
戦後、日本中の動物園で象をはじめ、多くの動物が殺されたことを知った子どもたちがどんな想いを抱いたのか。食べ物や暮らしには決して満足がいかない時代の中、「動物園に象が欲しい」と強く願った当時の子どもの心情がこちらにも伝わってきます。
戦争を知らない現代の子どもたちに是非読んで欲しい1冊です。
(販売部 高安)