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偕成社文庫100本ノック

第33回(プレイバック中!)

赤毛のアン

『赤毛のアン(上)(下)』モンゴメリ 作/茅野美ど里 訳

 赤毛の三つ編みに、そばかすのちった頬。緑色の大きな目を輝かせたやせっぽっちの女の子。
それが、アンです。

 1908年に刊行されたこの本は、1950年代に村岡花子さんによって日本に紹介され、以来多くの読者に愛されてきました。百年以上前に書かれた物語ですが、今、おとなになって読んでも、おもしろくって新鮮です。さすが名作。

 その魅力は、なんといってもアンの豊かな想像力と、ユニークで楽しいおしゃべりです。アンはありふれた風景や物事を、想像力で書き換えて、新しい名前をつけていきます。

 たとえば、
並木道   →  歓喜の白路
バリーの池 →  輝きの湖水
親友    →  腹心の友

 初めて読んだとき、とくに印象的だったのは<腹心の友>! アンはこんなふうに話します。
「腹心の友よ、親友のこと。あたしの心の奥ぶかいところにあることまでうちあけられる、ほんものの同質の魂のもちぬしのこと。いつかそんな子にめぐりあえることを、ずっと夢みてたの。実現するとは思ってなかったけど、すてきな夢が一度にたくさん実現したから、この夢もかなえられるかなって思って。どう思います?」(『赤毛のアン(上)』123ページ、1行目 )
 親友っていうより、なんだか素敵ですよね。わたしもいつか腹心の友ができたらいいな、とわくわくしました。

 それから、アンがいわゆる「いい子」でないところも、好感が持てるポイントです。気にしている赤毛やそばかすについて、ずけずけいってくるレイチェル夫人(でも悪い人ではない)とケンカになったり、しつこくからかってくる男子ギルバートを石板でなぐってしまったり。ちょっとやりすぎ?とは思うものの、自分の気持ちをはっきり表現するアンの姿にスカッとするのもまた事実です。

 プリンス・エドワード島の自然の中で、あたたかな人たちにかこまれて成長していく女の子の物語。
 読めばきっと、どうしてこんなに支持されているかわかるはずです。

(編集部 佐川)

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今日の1さつ

描かれている町のモデルのような田舎に住んでいるわけでもないのに、読んでいると思い出す感覚や匂いがあります。こどもの頃の放課後などです。外で遊んでだりして、都会にいても自然を感じとる力が備わっていたのかなと思います。とてもすてきな感覚を思い出すことができました。(20代)

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