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絵本&読み物案内

「世界で最も美しい本コンクール」の日本代表に! きくちちきさん『ちょうちょ ちょうちょ』

2026.11.02

第59回造本装幀コンクールで日本書籍出版協会理事長賞を受賞した、きくちちきさんの『ちょうちょ ちょうちょ』。 「描き分け版による多色刷り」という手法で作られた美しい絵本をご紹介します!

特色6色をぜいたくに使った美しい絵本

 『ちょうちょ ちょうちょ』は、ブラチスラバ国際絵本原画展で2度の受賞にかがやき、国際的にも注目されている絵本作家、きくちちきさんが、「ちょうちょ」をシンプルに描いた絵本です。「ちょうちょ ちょうちょ どこから きたの?」「ちょうちょ ちょうちょ なにしているの?」という問いかけにみちびかれて、ひらひらと自由に舞うちょうちょの魅力を、詩情ゆたかに描きます。

 短い問いかけに添えられているのは、鮮やかで美しいイラストたち。実はこれ、版画の手法で作られていて、元となる原画はすべて「墨一色」。そこに印刷の際、「特色」と呼ばれる特別なインキ(通常のCMYKの4色の印刷では出せない鮮やかな色のこと)で色をのせているのです。本作では、6色もの特色が使われています。(よりくわしく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください!)

 きくちさんは「この部分にはこの色」と完成形を頭の中で想像して版を描き分け、試行錯誤しながら、何百枚もの絵を描かれたそうです。

 印刷はきくちさんの出身地でもある、北海道の印刷会社で行われました。きくちちきさんとデザイナー、編集者が印刷に立ち会い、「もっとインキをのせて!」とお願いするうちに、工場のインキを使い切ってしまい(!)、追加でインキを注文していただくことになったとか。

 子どもたちに、ゆたかな色彩の世界を楽しんでほしいという、作者の思いがたっぷり詰まった一冊です。

刷り上がりを確認したときの写真

表紙にもこだわりが!「世界で最も美しい本コンクール」日本代表作品

 2025年に出版された本作は、2026年の第59回造本装幀コンクールで、日本書籍出版協会理事長賞を受賞しました。受賞作はドイツのライプチヒで開催される「世界で最も美しい本コンクール」に日本代表として出品されます。 

 すみずみまで美しい本作ですが、最後にもうひとつ。通常、絵本のカバーと表紙はおなじデザインになっていることが多いものですが、この絵本はカバーをとるとまったくちがう絵があらわれます。ご購入いただいた際は、ぜひカバーもめくってお楽しみください!

(装丁:サイトヲヒデユキ 印刷会社:アイワード  製本会社:東京美術紙工協業組合)

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