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イベントレポート

『絵物語 古事記』の刊行記念イベントにいってきました!

2017.12.18

12月14日(木)の夜、代官山 蔦屋書店で『絵物語 古事記』(富安陽子 文/山村浩二 絵/三浦佑之 監修)の刊行記念イベントがありました! 著者の富安陽子さん、絵を担当した山村浩二さん、担当編集者の鼎談にくわえ、山村浩二さんが制作したアニメーション「古事記 日向篇」の上映も! イベントのようすをレポートします。

古事記に興味をもったきっかけは?

 まずは、おふたりが古事記に興味をもったきっかけをお話しいただきました。

 富安さんは、小学生のときに読んだシュリーマン(少年時代に夢中になったギリシア神話の記述から「トロイアの都は実在する」という思いを抱きつづけ、ついに世紀の大発見を遂げた考古学者)の本に感銘をうけたとのこと。その後、日本の神話の舞台でもある出雲で数々の銅剣が発見されたというニュースを見て、日本の神話もトロイアのように現実とつながっているのかもしれないという思いをいだき、古事記への関心が深まったのだそうです。

 一方の山村さんは、小学生のときに聞いたNHKのラジオ放送が古事記との最初の出会い。ちょうど思春期で性への興味が湧いていたときに、イザナキとイザナミの国生みのくだりをこのラジオで聞き、大変納得がいった! というユニークなエピソードを聞かせてくださいました。アニメーション作家になったばかりのときに、絵のタッチが古事記と合うのでは? という感想をもらって以来、古事記のアニメ化にはずっと関心をもっていたところ、数年前にNHKからオファーがあって、「古事記 日向篇」が実現したのだそうです。

 ということで、アニメーションのお話が出たので、さっそく! 上映タイム。

アニメーション「古事記 日向篇」上映!

 アニメーションは日向(宮崎県)を舞台とした、国生みからはじまり、黄泉の国や、イザナキが三貴子を生む場面、海幸彦山幸彦のエピソードなど、12分とは思えない充実の内容。 現実ではありえなかったり、意味のとり方が難しかったりする場面が数多くある古事記ですが、そのひとつひとつが新鮮な解釈で表現されていて、会場のみなさんも、大満足のようすでした。

 山村さんのこだわりも色々とお話しくださいましたが、なかでも、映像の視点が切り替わるという手法は書物である古事記には合わないと考え、絵巻物のように場面をひとつなぎにしたということ、また、神話の世界では「自然も擬人化しているのでは?」という考えから、神様だけではなく、すべてのものが常にゆらいでいるように描いた、とおっしゃっていたのが印象的でした。

はじめての古事記決定版!『絵物語 古事記』

 しめくくりは、『絵物語 古事記』の本ができるまで。富安さんが司書のお知り合いから、子どもむけに古事記の全体を描いた本がみあたらないと言われたことをきっかけにはじまった企画で、「子どもたちが途中で挫折しないよう、全ページに絵をつけて絵巻物のような本にしよう!」というコンセプトで作られたのだそうです。

絵物語古事記

 

 アニメーションと絵本の仕事をあわせると100以上の賞を受賞されているという超多忙で人気者の山村さんに、この大作に取り組んでもらえるように、富安さんと担当編集が練った計画(おふたりの共著「妖怪一家 九十九さん」シリーズ[理論社刊]の刊行記念イベント後、山村さんがほっとしているときをねらってオファーをしよう!)がみごと成功して、晴れて山村さんに絵を描いていただけることになったのだとか!

 富安さんは絵を全ページに入れるために、見開きごとに完結する文章をまとめる大変さや、山村さんは描いても描いても終わらない240ページ以上の絵を描くことのご苦労をお話しくださいました。

 その苦労の甲斐あって、読者の方からは、「古事記の神話がつながった1つの物語になっているとは知らなかった」「とても読みやすい!」など、うれしい声を多くいただいています。ちょっと難しいというイメージのある古事記ですが、大人の方も、まずは最初の1冊として、ぜひ手にとっていただけたらと思います。古事記を読むと、各地への旅行や神社巡りも面白くなりますよ!

山村浩二さんと富安陽子さん、『絵物語 古事記』を手に。金の箔押しの「古事記」の文字がかっこいい本です!

 

(販売部 宮沢)


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