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編集部だより

祝ノーベル物理学賞受賞! でも「系外惑星」ってなに?

2019.10.15

 こんにちは。編集部の藤田です。秋ですね。走るのにはもってこいの季節です。秋、といえばノーベル賞の発表がありました。今年のノーベル物理学賞は、スイスのミシェル・マイヨール教授とディディエ・ケロー教授が受賞しました。理由は「太陽と似た恒星の周りを公転する系外惑星の発見」に対してです。
 
マイヨール博士の写真
 
 今回は偕成社から2016年に刊行された『さがせ! 宇宙の生命探査大百科』を紹介しながら、この「系外惑星」についてお話しします。
 
『さがせ! 宇宙の生命探査大百科』の書影
 
 そもそも「系外惑星」って、なんでしょう。耳慣れない言葉ですよね。それは太陽「系外」の惑星のことなんです。
 
『さがせ! 宇宙の生命探査大百科』のなかの見ひらき「太陽系の星々」。太陽系のイメージ図
 
 そう、夜空に輝く星(恒星)のまわりには、太陽系と同じように、そのまわりをまわる地球や木星のような惑星がある、それをはじめて発見したのが、この2人の博士なんです。え、そんなのあたりまえじゃないの、と思ってしまいますが、それは今だから感じること。1995年のこの発見まで、広い宇宙のなかで、恒星の回りを惑星がまわる、というスタイルは、わたしたちのくらす太陽系だけ、とされていたんです。まさに大発見! ですよね。以来、見つかった系外惑星はなんと4000個以上。となると、そのなかには地球に似た、生命のいる惑星があるかもしれない! こうして地球外生命の研究も爆発的に進んだのでした。
 では博士たちは、どうやって系外惑星を見つけたのでしょう。それがこちら。
 
本のなかの図のアップ。ドップラー法の絵解き。
 
 ある恒星を観測してみると、地球にとどく光の波長が一定のリズムをもって変化していました。光というのは、近いときと遠いときの光の波長が変わります(音も同じで、救急車のサイレンも遠近で音の高低が変わりますよね)。変化するということは、この恒星が周期的に動いている(ぶれている)ことです。ではなぜ、ぶれているのか。
 
 それはこの恒星の周りに「なにか」があって、その重力でまんなかの恒星が引っぱられている、ということです。こんな大きなものを動かせる重力をもつもの、その「なにか」とは……そう、惑星です!
 こうしてこの恒星は、惑星を持っていることがわかったのでしたちなみに、この恒星がぶれる速度は、なんと人が歩くほどの速さ。それを地球からの観測でとらえるんですから、驚きですね。
 後年、望遠鏡で直接観測された系外惑星の写真はこちら(bとcとdが惑星です。ハワイのケック望遠鏡とジェミニ望遠鏡が2008年に撮影)。
 本の中の写真。じっさいに撮影された系外惑星の写真。
 
 『さがせ! 宇宙の生命探査大百科』は、最先端の科学ともいえる地球外生命の研究である「アストロバイオロジー(宇宙生物学)」の魅力をぎっしりつめこんだ本です。「宇宙人を大研究」「太陽系で生命さがし」「知的生命体に向けて」「生命探査の未来」など、地球以外で、宇宙に存在するかもしれない生命の研究について詳しく紹介しています。
 
本のなかのひと見ひらき。「これが宇宙人だ!?」想像の宇宙人が6体ほど描かれている。
 
 系外惑星については第5章「宇宙は惑星でいっぱい!」でたくさんご紹介。もちろん、今回ノーベル賞を受賞したマイヨール博士も登場! 
 
本のなかのキャラクターの絵。マイヨール博士。「苦労の連続だった」とフキダシにせりふ。
 
 書店、図書館などで見つけたら、ぜひ手にとってみてくださいね。
 
(編集部 藤田)

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