夫婦イラストユニット・はらぺこめがねが描く、2026年4月発売予定の新刊『しょくどう』は、街の食堂を舞台にした絵本です。著者のお二人は、いつも実際の食べ物や人物の写真をモデルに絵を制作されています。そのため今回は都内近郊の食堂をまわり、これぞ!というモデル探しの旅へ。同時に、そこで見た光景やメニューが作画のヒントになることも多々ありました。前編に続き、「おいしい取材」のこぼれ話を、発売に先がけてご紹介します。
黄色いお品書き

たとえば、絵本に登場する、壁いっぱいにならぶ黄色いメニューのページ。こちらは東京・田端の「動坂食堂」へ訪れたとき、はらぺこめがねの背景・人物の絵担当、関かおりさんが「黄色い札、かわいい!」とすぐさま注目。メニューがずらっと並んでいるところを描きたいね、ということになりました。


黄色がまぶしいメニュー札と、カツカレーを食べるかおりさん。駅からすこし離れた場所ながら、お昼どきの店内は大にぎわい。アジフライも絶品でした!
さらに、東京・成増の「やまだや」で印象的だった、濃い茶色の壁と黄色い紙のメニュー札、また前編で紹介した東京・浅草の「水口食堂」のお品書きをかけあわせ、「黒×黄色×一面の札」という画面になりました。

「やまだや」の落ち着く店内。取材ではついつい品数を追加して満腹に。はらぺこめがねの食べものの絵担当、原田しんやさんも、幸せな放心状態です。
お刺身で一杯!

ビールの横で輝くお刺身のページは、東京・築地の「多け乃」の旬のお魚の盛り合わせがモデルです。市場に近いとあって、身がひきしまっていてとっても新鮮! 奥の冷奴と合わせて、ビールも進みます。

煮魚も名物の「多け乃」は、築地の場外で創業して90年以上。2階席もあり、厨房へつながるパイプの中に紙を落として注文するそうです。
理想の鯖みそ

そして、この絵本の最大の見せ場といっても過言ではない、どーんと大きな鯖のみそ煮には、東京・高円寺の「定食ヤシロ」で出会いました。う、うつくしい……。みそだれの照りがたまりません。
大きなカウンターには、手作りのおかずが並んだショーケースがあり、そちらも非常に魅力的! 絵本のカウンターにも、ショーケースを描き加えることになりました。


商店街にたたずむ「定食ヤシロ」。赤いのれんに、「早い!安い!うまい!」の黄色い看板、そして橙色のライトまでもが、おいしさをただよわせていました。
食堂、最高!
ほっとする日常のご飯と、くつろげる雰囲気がある「食堂」という場所は、どこも居心地ばつぐん。まだまだ紹介したかったお店ばかりです。気になった方は、ぜひ足を運んでみてください。絵本と実際のメニューを見比べてみるのも楽しいかもしれません!
(編集部 中嶋)



