編集部に配属されるまえ、わたしはプロモーション部で、刊行物の宣伝をおこなっておりました。
そのころは、スマートフォンはまだ登場しておらず、SNSの代名詞といえばミクシィで、なんだかんだ言いながら、まだまだ紙のツールにたよっていたように思います。
毎月、新刊のご案内チラシを作るのがルーティンでした。
その紙面のスペースが空いた月は、埋め草として、当時の出版業界のトピックを1コマまんがにしてのせていました。(2003年~2007年)
「業界時評」というタイトルで、いまふりかえると、ちょっと掲載をはばかられるようなものも少なからずあったようです。当時は、まったく気がつきませんでした。
のんきな時代でしたね~。
今回は、その「業界時評」(2003年~2004年)のなかから、あたりさわりがなさそうな作品をいくつかご紹介しましょう。
「サンジョルディの日」がいつか、みなさん、わかりますか。
わたしは一向におぼえられなかったので、自戒をこめて掲載しました。
このころ、「陰山メソッド」という教育法がブームになりました。「読み書き計算」の基礎、基本を徹底して反復練習するというものです。「ゆとり教育」の反動だったのでしょうか。
現在、偕成社では持ち込みを受けつけていませんが、このような光景は、出版社ではよく見受けられたものです。
編集部にいる現在、こんなおそろしいネタは、絶対にのせたくありません。
若い人は、このおじさんが、だれだかわからないと思います。近くの中高年者に聞いてみてください。
ネタが思いうかばず、だじゃれでごまかしました。
「オンデマンド」という言葉が、話題になってきたころだと思います。未来を予見したかのような見事な作品ですね。
ということで、あの時代はメディア環境が現在とはずいぶんちがっていたので、このようなことができたのだと思います。
出版業界に幸あれ。
(編集部 匿名 まんが:関口紀子)