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偕成社文庫100本ノック

第25回(プレイバック中!)

むらさきいろの童話集

『むらさきいろの童話集』
アンドリュー・ラング 編著/ 川端康成、野上彰 編訳

 皆さんには、自分のはこれ、という色はありますか?
 わたしは自分の色、というと、好きなのは青色で、可愛いピンク系も悪くないなと思うのですが、今回ご紹介するのは、そのどちらでもない色、”むらさき色”がタイトルについた本です。

 偕成社文庫の中のシリーズ・「ラング世界童話全集」の1冊、『むらさきいろの童話集』には、フランス、ベルギー、スカンジナビアの昔話が全部で11篇入っています。

 中でもわたしが好きなのは、「十二人のおどる王女」というお話。美しくて聡明な十二人の王女の姉妹たち…それだけでなんだか素敵!とわくわくしますが、さらにこの王女たちには、謎があります。夜、十二のベッドが並ぶ鍵のかかった部屋にそろって入り、朝まで一度も出てこないのに、朝がくると王女たちの靴は、ボロボロになっているのです。いったい夜中に何が行われているのでしょう?(タイトルで分かっちゃうよ、と侮るなかれ!秘密は奥深いのです)

 王女たちの秘密、それを追う主人公の機転のきいた行動…昔々のお話でも、ページをめくるドキドキは古くなりません。
 とつぜん魔法が使われるなど、ええっ、そんなのあり?というファンタジックな設定も、読んでいるうちにすうっと心に馴染んでしまうから不思議です。
 現代まで語り継がれてきたのは、そんな魅力があるからなのかもしれません。

 実はこの「ラング世界童話全集」には、様々な(少し変わった)色が全部で12色そろっています。それぞれに世界の昔話がぎっしり。
 色がお話の中身に関係しているわけではないのですが、巻ごとに色が決められていると、単なる「昔話集」より、楽しくて特別な感じがします。

 小学生の時にこのシリーズを通して読みながら、好きになるのは「そらいろ」か「さくらいろ」がいいなぁ、と思っていたのですが、「うむ、これが面白い」とわたしのお気に入りになったのは、この「むらさきいろ」でした。しぶい。(でももっとしぶい色もいくつかあるんですよ)
 あなたが面白いと感じる、自分に合うのはどの色の本でしょう? 読み比べてみると楽しいですよ。

(販売部 松野)

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今日の1さつ

とつぜん魔女が現れていろいろな話を聞かせてくれるということが不思議で一気に読んでしまいました。岡田さんの本は他の本も場所が学校のものが多くていろいろ想像しながら読めるので何度も読みました。(11歳)

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