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編集部だより

僕の大好きなカマキリ 〜その2 産卵〜

2020.02.19

 おひさしぶりです! 編集部の刑部(おさかべ)です。
 
 先週まで、今春の「学校図書館もの」の編集作業でヒイヒイ言っていましたが、やっと5巻全巻が校了(「色校正」という試し刷りを見て、文字や図版、カラーの部分は色味なども含めて内容確認が終わり、印刷してもよい状態になること)となり、何か月ぶりかにホッとしているところです。あとは印刷や製本を待つだけですが、ここ2週間ほど両目のマブタのピクピクが止まらないのは、やはりあまりに蓄積したストレスのせいでしょうか・・・
 
 そういうときは、昔の古き良き日々の想い出に逃避してと・・・これは、10年ぐらい前の秋の写真です。
 
 
 まだ生意気になる前の息子の写真(アディダスのキャップ、ぼろっ!)・・・このころはよくいっしょに公園なんかに行って、昆虫を観察したものでした。それが今じゃ、スマホだなんだって・・・でもまあ、それがふつうなのでしょう。高校生や大学生にもなって、お父さんといっしょに公園で虫を見るわけないですからね。
 
 それはともかく、息子の手の部分を見てください。カマキリが2ひきいますね。何をしているかって? そりゃあ見れば分かるでしょう。「交尾」です。下の体が大きいのがメス、その上にのっかっている小さいのがオス。オスは尾端をぐにゅっと曲げて、メスの尾端に差し込んでいますね。こうしてオスは、精子のつまったゼリー状のカプセル(精包)を、メスのおなかの中に送り込むのです。
 
 
 この2ひきは、後ろの柵の下のところにいたのですが、そのときからこんな風に交尾中で、手を差し出して、背後からちょこっと突っついたら、交尾したままヒョイヒョイと手に上ってきたというわけです。よっぽど夢中だったんですね・・・まあそりゃそうか。すこしばかり極論になりますが、生物は「交尾をするために生まれてきた」といっても過言ではないですからね。
 
 お待たせしました。ここからが本題、カマキリの「産卵」です。やはり息子といっしょに観察したときの写真がありますので、ここで世界初公開いたします。産卵場所は自宅の庭の、ツバキの木です。
 
 では、ハラビロカマキリの産卵の一部始終、ご覧ください(昆虫の腹部がニガテな方は閲覧注意)。
 
1)お尻の先っぽから汁が出てきました・・・
 
2) あれ、少しアワっぽくなってきた。
 
3)なんかアワがどんどん出てきて、こんもり、グレーっぽくなってきました!
 
4)よく見ると、尾端の両わきについた2本のヒゲで、出したアワのかたまりをなでまわしています。大きさを測っているようにも、形を整えているようにも見えます。
 
5)アワのかたまりは、おなじみのハラビロカマキリの卵嚢(らんのう)の形になってきました・・・後ろに写っているのは、はじめて目の当たりにするカマキリの産卵を凝視する息子。
 
6)そうか、卵嚢に付いているスジ模様は、きっと、尾端のヒゲでアワの形を整えた結果として付いたものだったんだ・・・あっ、アワのかたまりの中にお尻の先っぽを突っ込んでいるような?
 
7)ほら、アワの真ん中がポッカリ空洞になっているように見える・・・ということは、まずアワで卵の入れ物をつくって、その中にお尻を差し込んで、卵を産みつけているんだな。
 
8)おつかれさまでした、ハラビロちゃん(つかれが顔に出ないタイプね)・・・
 
 さあ、いかがでしたか? カマキリの卵嚢の形のナゾ、解けましたでしょうか?
 
 最後はこの感動的な写真で締めくくり。
 一夜明けた翌朝、出勤前、ツバキの木を見てみたら・・・ハラビロ母さん、まだ卵嚢を守っていましたよ。
 
 
 僕の担当編集の本で、カマキリが出てくる本は、前回ご紹介した2冊のほかに、
『カマキリ観察ブック』
 があります。
 
 草原の王者、カマキリ。この本では、その誕生から、脱皮をくりかえして成長する様子、ハンターとしての活躍ぶりなど、その一生を詳細な生態写真で解明します。
 
 よければ、読んでみてくださいね。では、またお会いしましょう!
 
(編集部 刑部 聖) 

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