みなさんこんにちは。走ってばかりの編集部・藤田です。
とはいっても収穫の秋、走ってばかりではいられません。
先月今月と田んぼで稲刈りと脱穀をしてきました。
今回はそのご紹介です。
私は5年ほど前から、栃木・茂木町の棚田で稲作をしています。
といっても月にいちど作業をするだけ、田んぼオーナー制度です。
まずは先月9月半ば、稲刈りです。
ノコギリ鎌で刈りとりますが、驚くべきは、いとも簡単に刈れること。ウエハースのようです。
これは夏のあいだに田んぼの水を抜いて、根元を枯らせておいたから。
先人の知恵ですね。弥生人? に敬服です。
でもしゃがんだ姿勢で何時間もやるので、さすがに腰が痛くはなります。
刈りとった稲は、5、6株ぶんまとめて藁で束ねます。これもけっこう大変。
ここで登場するのが、バインダーと呼ばれる農機具。
ヤツはすごい。刈りとるのと同時に束ねてもくれます。
しかも熱で圧着でなく、きちんと結んである! 小人が中にいるに違いない。
で、稲の束は稲架がけにして干します。
いいですねえ。日本の原風景。
はじめてのとき、8割がた干しおわったあとで、稲架がバキッー! と折れて、すべて倒れました。
一からやり直しで、心もいっしょにバキッー! です。
続いて今月は脱穀でした。3週間ほど干したのがコチラ。
そうして干した稲藁を、稲架から外して、どんどん脱穀機にかけていきます。
機械のなかでは籾が稲からとれて、袋にガシガシ落ちていきます。籾は、殻のついたままのお米のことです。
籾をとった稲藁は右側に出てきて、田んぼにばさっと落ちる。
稲刈りのときのコンバインといい、この脱穀機といい、「ノーベル農機具賞」があればこれらは毎年受賞レベルのすぐれものです。
稲架に使った竹も、毎年もちろん再利用。
藁も業者さんに売って畳の中身になったりします(今年は燃やしたけど)。
「稲作にはムダがない!」とつくづく思います。長年つちかわれてきた合理性のたまものですね。
このあと、さきほどの殻つきの籾を「籾すり」という作業によって殻をとりのぞき、玄米(皮のついたお米)にします。
参加者には玄米の状態でくばられ、この5年でいちばん収穫の多い年は、ひと家族あたり60kg、昨年は40kgでした。
さて今年はどうでしょうか。
11月には収穫祭が行われて、おいしい新米をいただきます。
もちつきや、いのししの肉などもふるまわれ、1年の作業の苦労をみんなでねぎらいます。
田んぼオーナー制度は日本中で行われているので、みなさんも興味があればぜひ参加してみてくださいね!
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シリーズ「おいしいごはんができるまで」1
『〈お米から〉そだてるおにぎり』
おにぎりができるまで、を稲を育てるところから、わかりやすくご紹介!
今回は「稲作・秋」でしたが、また来年に「稲作・春」をお伝えできればと思っています。
ではみなさま、よい食欲の秋を!
(編集部 藤田)