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編集部だより

外濠にくらす鳥たち その2

2019.03.27

こんにちは! 編集部の刑部(おさかべ)です。
 
 いつまでも寒い寒いと思っていたら、3月中旬になってから、同僚とランチを食べに行く途中の道で「あれ、今日はなんだか風が春っぽいよね」「そうだね」なんて言いあったり、朝、6時半ごろに起きて、雨戸を開けたとき、空のあまりの明るさに「あーいつの間にか日が長くなったね!」と思わず独り言を言ったり、確実に季節が進んでいることを実感していたところ、あっという間に桜の季節!  みなさんがこの記事を読んでいるころには、世は桜が満開になっていることでしょう。
 
 それでは今回の「外濠の自然観察日記」、前回の「外濠にくらす鳥たち その1」に引きつづき、「外濠にくらす鳥たち その2」です。
 
 四ツ谷駅から市ヶ谷の偕成社まで、毎朝歩く通勤ルート。外濠公園は途中で終わり、そこからは外濠に沿う「外堀通り」の歩道を歩いて行きます。
 1月末、いつものように歩道を歩いていると・・・おや・・・後ろに気配を感じてふり返ると、歩道に一羽の小鳥が。首と尾を上下させながら、僕を柵の向こうのお濠へいざなうかのようにせわしく歩きまわっています。
 
 
 ハクセキレイという鳥です。ほぼ日本全国にいて、河川の周辺でよく見られますが、道や駐車場などでもよく見かけます。最近、都会で増えているといわれているので、みなさんも見たことがあるのでないかと思います。見たことないよ、という方も、動きに特徴があるので、おぼえておいてくださいね。
 
 さて、ここからは、外濠で見られる水鳥たちを紹介していきましょう。
 
 さっそく外濠に目を向けると、お濠の向こうを、黄色い帯のついた「総武線」の車両が走っていきます・・・総武線はその名の通り、千葉(総の国)と東京(武蔵国)を結ぶ路線です。
 
 
 列車後部の左上に見える白っぽい台形の建物が、JR市ヶ谷駅。ふむふむ・・・おや、写真中央のちょっと下あたりをよく見てください。お濠の水面に、一羽の鳥が降り立ちましたよ・・・iPhoneカメラ、ビデオに切り替え、ズームアップ!
 
 
 あっ、水中にもぐっていきました! 鳥なのに・・・そう、この鳥が、最近増えているといわれるカワウです。水中にもぐって、魚などを獲って食べます。そして魚を獲ったあとは・・・
 
 
 この動画のように、羽を広げてひらひらさせて、乾かします。
 カワウの羽は、水にもぐりやすいように油分が少なく、水をあまりはじかないように、つまり、ぬれやすくできています。でも、羽がぬれていると、うまく飛ぶことができません。それでカワウは潜水後、このようにして羽を乾かしているのです。なんともカワイイでしょ。
 
 これも寒い朝、外濠にどこからか流れこむ水路の出口近くの石垣の上・・・
 
 
 静かな水面にお日さまが映り、大きな鳥が一羽・・・ああ、なんと美しい風景なのでしょうか。いい写真。
 この鳥は、アオサギです。かなりの大きさがあります。この写真では首を曲げて折りたたんでいますが、伸ばすとこんな感じ。
 
 
 動物園に行かなくても、こんな大きな鳥が見られるなんて、ちょっと得した感じです!
 おや、そのアオサギが・・・こちらに歩いてきたと思ったら、立ちどまり、また首を折りたたんで具合がわるそうにしています。どうしたのでしょうか・・・ちょっと長い動画ですが、ごらんください。
 
 
 何かをオエッと吐き出しました。何か変なものでも食べてしまったのでしょうか・・・ちがいます。アオサギは具合がわるかったわけでも、変なものを食べてしまったわけでもありません。吐き出したものは「ペリット」といいます。鳥たちは、のみこんだ食べ物で、消化できない骨やうろこなどをまとめて吐きもどす習性があり、吐きだしたものがペリットと呼ばれるのです。
 アオサギは水鳥で、浅い水辺の魚などを食べますから、ペリットの中身は、やはり骨やうろこでしょう。ほんとうは吐いたペリットを拾いたかったのですが、柵の向こうは立ち入り禁止なので、断念しました・・・
 
 さてさて、外濠にはまだまだいろいろな水鳥がいますが、最後は、この季節にふさわしい写真で。
 
 
 あなたが野鳥をみかけたとき、鳥たちはなにをしていましたか? 鳥たちがしていたことは、きっと、その鳥のくらしの大切な一場面です。
 春夏秋冬、一年を通した野鳥の生活を知りたい方には、僕が担当した以下の本がオススメ。
 
 
 この本では、ふだん出会うことの多い身近な野鳥について、みられる環境ごとに、日本にいるときもいないときもふくめて、その1年の生活を、あたたかく生き生きとした豊富なイラストとともに、くわしく解説します。鳥たちの食べ物や渡りの基本、観察のしかたについても、コラムページを設けて紹介しています。
 また、この本の著者の、おおたぐろ まりさんは、
 
 
 という本も出していますよ。
 こちらは、身近に落ちている鳥の羽が、何の鳥の羽なのかがわかる絵本図鑑です。きれいな羽の紹介の他、鳥の羽にまつわるさまざまな話題も満載です。
 
 では、またお会いしましょう!
 
(編集部 刑部 聖) 

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