今回は記事の後半で、自由研究にぴったりな「実験レシピ」を紹介します。お楽しみに!
みなさん、料理をしていますか?
毎日料理していて楽しい、大変、めんどくさい、たまにしかやらない、外食がいい……いろいろあるでしょう。でも、料理をしたことがある人で、「失敗したなあー」と思ったことがない人は、きっといないはず。
しかし、ある本を読むと、「料理に失敗はないのだ!」という境地にいたることができるのです。それは、「キッチンラボ どうしてそうなる? 実験レシピ」シリーズの3冊です。
この本の著者、露久保美夏さんは本の中でこのように書いています。
・・・
料理の正解は1つだけではない
料理には、絶対の正解はありません。本書でも、どの作り方が正解か、というとらえ方ではなく、材料や作り方を少し変えるだけでも別の味わいが生まれることや、その理由に注目し、調理の科学に関する解説を随所に記載しています。作って感じたこと、発見したことと合わせて読み、なるほど! と思っていただければ幸いです。
・・・
じぶんが思っていたものとちがう味わいや食感になっても、その理由に注目して思考を深めていけば、立派な実験になるんですねー!
「お肉が硬かったなー」「すぐ焦げついちゃって困った」「前に作ったときと味がちがうなあ」などなど、料理で起こることのすべてが科学なんだと思うと、楽しい気持ちになれます。
「キッチンラボ どうしてそうなる? 実験レシピ」シリーズでは、料理のできあがりはもちろん、工程もすべて撮影して掲載しています(実験の写真もたっぷり載せているので、ぜひ、本を手にとって、見てみてくださいね)。
今回、撮影に先立って、編集担当のわたしは、小学生の子どもや、近所の子たちといっしょにおうちで実習を行いました。
キッチンラボのレシピを作ってみた、わたしがおすすめするレシピを、1つ紹介します(ぜんぶ紹介したい気持ちをこらえて、1つだけ)!
「手作りストリングチーズ」
手でさけるチーズを自分で作れるレシピ!
『食材編 納豆でのびーるアイスクリーム』では、チーズがのびるしくみにもせまっていきます。
【材料】
・モッツァレラチーズ 100g★
【道具】
・温度計
・軍手
・ゴムてぶくろ
★「台所で、今すぐできる」をうたっていましたが、モッツァレラチーズが冷蔵庫に常備されているおうちはめったにないですね……。でも、モッツァレラだけ買いに行けばできる実験です!
【作り方】
1
モッツァレラチーズを2㎝角に切る。
2
軍手の上から、ゴムてぶくろをはめる(熱くなるので、てぶくろを二重に!)。
3
大きめのなべで水をあたためる。温度計ではかって80℃くらいになったら火をとめ、チーズをいれる(温度計がない場合、「80℃のお湯の作り方」を調べてやってみる手もあります!)。
4
チーズがやわらかくなってきたら、ひとつにまとめる。
5
チーズを湯からだして、ちぎれないように「びよーん」とのばす(おもしろいです!)。
6
チーズを2つ折りにして、またのばす。冷えてのびにくくなったら湯につけてやわらかくし、くりかえす(同じ方向にのばさないと、さけるチーズにならないので、注意!)。
7
10回くらいくりかえすと、細いすじがたくさんできてくる。
8
ボウルに水をいれ、チーズをつけて冷やす。
9
冷えたらさいて食べる。まずはそのまま味わってみてください。そのあと、塩をつけて食べるのも良し。食感、味、どうですか?
「もう1回作りたい!」「チーズだいすき!」「おもしろい!」というのは、うちの小学2年生の感想。実際、何度もリピートしました。低学年や小さい子の場合、熱いお湯を使うので、やけどに注意! 近所に住む小学5年生のお姉さんは、のばす作業を1人でできました。びよーん。
「おいしいものを作ろう」や「かわいいスイーツを作ろう」といったゴールを目指すのではないところが、このシリーズの面白いところ。だから、どんな工程をたどっても、どんな結果になっても楽しい! 料理を通して、正解はひとつではなく、いろいろな道があるんだということを実感できると、世界の見方が変わります(決して大げさに言っているわけではありませんよ〜)。
どれもこれも「ふつうとちがう」キッチンラボのレシピを、実際に作ってみてくださいね!
(編集部 小宮山いつか)
・・・
おまけの写真
撮影では、こんな機械も使いました。硬度計といいます。これはお豆腐の硬さをはかっているところ。
こちらの写真は、子どもが作った琥珀糖。「きょうりゅうのたまごみたいな色!」と、シリーズのデザイナー、阿部美樹子さんが言っていました。
レシピは、『調味料編 さとうの量でふっくら&ぎっしりカップケーキ』にでてきます。