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絵本&読み物案内

めんどくさがりな人、ケチな人、へこきな人よっといで!『ぐうたらとけちとぷー』

2020.06.15

本業はカメラマンだけど、文才を見いだされて、本作で童話作家デビュー! 加瀬健太郎さんの『ぐうたらとけちとぷー』(横山寛多 絵)は、めんどくさがりやの子、めちゃめちゃケチな子、あちこちでおならをしてしまう子、3人の物語。小学校低学年からの、気楽に読めるわらえるお話が4つはいっています。


 

 上には上がいる! めんどくさがり、ケチ、へこきの3人

 この本に登場するのは3人の男の子。

 1人目は、めんどうくさがりやの「めんどう くさのすけ」。お父さんは、めんどう くさお、お母さんはめんどう かよ。あなたも私も、多少「めんどうだなあ」と思うこと、あると思います。でも、このめんどうくさのすけ、中途半端なめんどうくさがりやではありません! どれくらいめんどうで動かないかって、寝たら寝っぱなし、起きるのがめんどうすぎて、3日3晩、寝つづけるほど。(その後、寝るのがめんどうになって、起きました)

 2人目は、とにかくけちで、めちゃくちゃせこい「せこいや ジャクソン」。お父さんはせこいや ようへい、お母さんはせこいや ジャネット。国際結婚のご夫婦のようです。常に物事に無駄のなきよう勘定しそうな目、ぴっちりとした身なり、見た目に性格が現れています。このジャクソン、かなりのケチケチ精神なので、持っているおもちゃも汚れてしまうからあそびません!(えー!)

 3人目は、いつでもどこでも、ぷーぷーへをこく「へ こいたろう」。お父さんはへ ひりのしん、お母さんはへ プーこといいます。争いごとを好まなそうな、のんびりとした顔立ちが特徴です。こいたろう、あまりにおならをするので、ついにはおならの「ぷーぷー」で返事ができるようになったのだとか。このぷーぷーが、意外なことに、3人のなかでムードメーカーの役割をはたします。

 寛容な両親の元で、それぞれの個性をのばしてきた3人は、実はとってもなかよし! 3人のお話と、最後に3人が集まって遊んだ一日のお話、全部で4つのお話が入っています。

 全ページにイラストが入っていて、読みやすく、語り口はまるでお父さんがつくり話をしてくれているかのよう。絵本のつぎに自分で読むお話として、読むことのおもしろさをおしえてくれます。

 本業は写真家の、加瀬健太郎さん

 著者の加瀬健太郎さんは、もともと写真家として活動されている方です。偕成社からは「世界のともだち」シリーズでイギリスを担当しています。「そのときの文章がユーモアと愛にあふれていて、これはおもしろいお話が書ける人にちがいない、と思い、童話をお願いしてみました」(担当編集・談)とのこと。
 
 家では3人の男の子の父親である加瀬さん。『ぐうたらとけちとぷー』も、息子さんたちに読みきかせながら、なんども書きなおしつつ完成したそうです。奥さんや息子さんとの日常を写真と文章でおもしろおかしく語る『お父さん、だいじょうぶ?日記』(リトル・モア)もおすすめです。
 

 イラストを担当した横山寛多さんは、イラストレーター。くさのすけ、ジャクソン、こいたろうの3人の性格がみごとに顔に現れたイラストを描いてくれました。それぞれの男の子のかたわらにいるイマジナリーフレンドにも注目してみてくださいね。

 最後に加瀬健太郎さんから届いた3つの動画をお楽しみください!

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