昨年から「世界のともだち」というシリーズを担当しています。国ごとに出版していて、ひとりの子どものくらしを通して、その国を紹介するものです。取材にでかけたカメラマンさんから、続々といろいろな国の写真が私の手元に届き、毎日世界旅行をしているような気分でウキウキです。
カメラマンさんには、主人公の子がいるクラスの集合写真を撮ってきてください、とおねがいしてあります。今のところ、20か国くらいの集合写真を見ました。ピシッとみんながならんだ国、まあとりあえずならんでみるか、みたいな国、わあ、写真写真!とテンションの高い国、などそれぞれですが、共通点があることに気づきました。
どの国のどのクラスにも、ああ、こういう子私のクラスにもいたよなあ、って子がいるのです。大柄でどっしりとした男の子(たぶんやさしい)、メガネをかけたスマートな男の子(たぶん勉強がよくできる)、どうしても変な顔をしてしまう子(たぶんクラスの人気者、たいていブレて写っている)、はっとするようなきれいな女の子(たぶんスポーツもじょうず)、お母さんタイプの女の子(おもわず悩みを相談してしまいそう)などなど……。おお、世界中どこでもおなじ!と集合写真をみるたびにうれしくおもっています。
「プチ・ニコラ」の主人公、ニコラのクラスもまさにそんな感じです。お金持ちのジョフロワ(火星人のヘルメットで集合写真に写りたがる)、先生のお気に入り、秀才のアニャン(めがね)、わんぱくなユード(すごくつよい)、ふとっちょのアルセスト(しょっちゅうなにかを食べている)、お父さんが警察官のリュフュス(ホイッスルが宝物)、そしてニコラ(成績表に、「さわがしい生徒、よそ見が多い」とかかれる)。
このクラスメイトたちに、先生やパパ、ママ、近所の人たちもまきこんだニコラの毎日が短編形式でえがかれます。私の好きなお話は、ふとっちょのアルセストが活躍する「病気になったんだ」「さぼってみたけど」の2本。アルセストみたいな弟がいたら、いくらでもチョコレートをあげるのに。大人たちのやや乾いた愛情のかけかた(べとべとしていない、の意)もちょうどよく、現実逃避に読むのに最適です。まさに集合写真をみんなで撮る話もありました。
あー、みんなキャラがたってておもしろいなー、こんな感じで毎日すごせたら楽しいだろうな、と思いつつ読んでいて、ふと顔をあげてまわりをみまわすと、会社の同僚たちも、クラスメイトっぽい分類ができそうなことに気づいたのでした。リアルの毎日もおなじようなものなのかもしれません……!
(編集部 秋重)