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絵本&読み物案内

サンタがはじめて祝うクリスマスを描く『はじめてのクリスマス』

2024.11.04

家族や友人とあつまり、おいしい料理に会話がはずむ、うれしいクリスマスの日。イブにプレゼントを配りおえたサンタクロースは、そのクリスマスをどのように過ごしているのでしょう? 『はじめてのクリスマス』(マック・バーネット 文/シドニー・スミス 絵/なかがわちひろ 訳)は、人気作家コンビが贈る、サンタが過ごす「はじめての」たのしいクリスマスの1日を描いた絵本です。

サンタさんのために、なにか とくべつで すてきなことを やらなくちゃ!

 むかし むかし。
 サンタのクリスマスは さびしいものでした。

 こんな出だしから、絵本ははじまります。一年中、子どもたちのためのおもちゃを作るのに忙しいサンタ。クリスマスの日にする普段とちがうことといったら、いつもよりほんのちょっと(たった30分!)寝坊をするだけでした。

 この話をエルフから聞いたしろくまはびっくり!「それだけ? クリスマスなのに?」

 そのしろくまの反応に、ちょっとはずかしくなったエルフたち。みんなで相談をはじめます。「サンタさんのために、なにか とくべつで すてきなことを やらなくちゃ!」

たのしいなあ。つぎは なにをするんだい?

 こうして、むかえたクリスマスの日。まず、エルフたちは、「とくべつな あさごはん」においしそうなドーナツをたっぷり用意しました。そして、さっそくいつもの仕事にとりかかろうとするサンタをひきとめ、クリスマスツリーを選びに外へ! そのあとも、むらじゅうに色とりどりのライトをめぐらせたり、アイシングクッキー作りをしたり……。

 最初はいつもとちがうクリスマスの日にとまどっていたサンタが、ページをめくるにつれ、この特別なクリスマスの過ごし方を、童心に戻ってはしゃぎ、楽しんでいくようになるようすが伝わってきます。

 文章を手がけたのは、ジョン・クラッセンと組んだ『アナベルとふしぎなけいと』『サンカクさん』『シカクさん』などで人気のマック・バーネット。絵は、2024年に国際アンデルセン賞画家賞を受賞したシドニー・スミス。

 エルフとサンタの楽しそうな笑い声が、絵本全体から聞こえてくるような、あたたかな気持ちで読み終える、しあわせいっぱいのクリスマス絵本です!

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