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ターシャ・テューダーが美しい絵を描きおろした『クリスマスのまえのばん』

クリスマスはもうすぐそこ。ツリーを飾りつけたり、プレゼントを用意したり、楽しいことがたくさんありますが、子どもたちが一番どきどきする、夢がつまったひとときといえば……そう、サンタさんがやってくる夜です。きょうは、その一晩をいきいきと描いた詩の絵本、『クリスマスのまえのばん』(クレメント・ムア 詩/ターシャ・テューダー 絵/中村妙子 訳)をご紹介します。


ねずみたちまで ひっそりと しずまりかえった いえのなか

 クリスマスの前の晩の、とある家。クリスマスツリーがきれいに飾られ、暖炉にはくつしたがかけてあり、サンタさんを迎える準備が整っています。
 子どもたちも動物たちも、夢の中。最後にお母さんがろうそくを吹き消して、大人もみんな眠りにつきました。ひっそりとした夜です。


 真夜中お父さんが、物音を聞いて目をさまし、窓を開けてみます。すると、雪が明るい月に照らされて、外は昼間のよう。そして遠い空から、トナカイがそりをひいてやってくるではありませんか! 御者はもちろん、サンタクロースです!
 
 

プレゼントを届け、次の場所へ向かうサンタクロース

 えんとつから家に入り、暖炉に登場したサンタさん。動物たちも起き出してサンタさんをかこみます。元気なサンタさんはせっせとプレゼントをくつしたに入れ、お父さんに「ないしょ、ないしょ」と合図して、またあっという間にえんとつへ。
 夜空を遠ざかっていくそりから声が響くのを、お父さんは聞きました。「みなさん、クリスマスおめでとう!」
 

この絵本のサンタさんは、こびとのおじいさん。絵からもそのすばしっこく愉快な人柄が伝わってきます。

ターシャ・テューダーが80歳で描いた、色あざやかで美しい世界

 この絵本は、クレメント・ムアが1822年に書いた詩に、ターシャ・テューダーが絵を添えています。絵本作家・挿絵画家であり、園芸家でもある彼女のライフスタイルは、日本でも人気がありますね。
 にぎやかなクリスマスを目の前にした家の、静けさや暖炉のあたたかさ、寒い外の澄んだ空気……温度や雰囲気まで伝わってくる絵はみごとです。
 
 1ページずつ、大切にめくりたい一冊です。
 

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