立春を過ぎ、暦の上では春になったようですが、まだまだ寒い日がつづきますね。
冬は星がきれいに見えるとよく言いますが、これは“空気が乾燥しているから“などちゃんと理由があるようです。最近、とくに都会で生活をしていると夜空を見上げる機会もなかなかありませんが、今回は改めて夜空を眺めたくなるような一冊をご紹介します。
“星と伝説”というタイトルからはギリシャの星座に関する神話がすぐ思いつきますが、星を民間伝承と絡めて物や動物の形に見立てたのは彼らだけではありませんでした。
この本は日本や中国、南半球のポリネシアそしてギリシャを中心に世界各地の星にまつわる伝説が22編入った短編集です。
ところ変われば星座の見方も変わる!?とおもいきや、意外と同じ星座に似たような伝説があることに不思議さを感じます。
たとえば、七夕で有名な織姫と彦星の伝説。天の川をはさんでまたたく二つの一等星(こと座のベガとわし座のアルタイル)を、“仲を引き裂かれてしまい、一年に一度だけ会うことを許された夫婦”と解釈したのは日本でも中国でも同じだったようです。
一方で同じ星座でも、一つの国の中で違った由来があるものもあります。例えば北斗七星。唐の時代の中国では、七ひきの豚の精とされていたようですが、さらに昔、魏の国では仙人に例えられていました。南の南斗六星が生をつかさどる白い仙人、北斗七星は死をつかさどる黒い仙人と考えられ、二人が相談して人間の寿命を決めていると考えられていたようです。
巻末に星座の解説とイラストがついていますが、「星座図鑑」( 『春・夏星座図鑑』 『秋・冬星座図鑑』)を片手に見ながら読むとより楽しめるかもしれません。
この本を読んだ後、これらの伝説に思いを馳せながらいま一度星空を見上げてみてはどうでしょうか!?
(販売部 今村)