icon_twitter_01 icon_facebook_01 icon_youtube_01 icon_hatena_01 icon_line_01 icon_pocket_01 icon_arrow_01_r icon-close_01

偕成社文庫100本ノック

第28回(プレイバック中!)

大きい1年生と小さな2年生

2018.06.12

『大きい1年生と小さな2年生』古田足日 作/中山正美 絵

 朝、お布団から出るのがとってもつらい季節ですね。
 今年の立春は2月4日だそうで、暦の上での春はだんだんと近づいてきているようです。
 今日は気持ちだけでも春を先取り!ということで春に読みたい一冊をご紹介します。

 4月の小学校入学式・始業式を迎えたところから始まるお話、『大きい1年生と小さな2年生』は古田足日さんの代表作の一つです。
 身体は大きいけれどこわがりで甘えんぼうの新入生まさやと、学年一背が低いけれど勝気でしっかり者の二年生あきよ。
(まさやは授業中におなかがへって泣き出してしまうことも!)
 そんなまさやですが、どんな喧嘩をしても泣かなかったあきよが、あることで涙するのを目にして……。

 このお話の魅力のひとつは丁寧にそして真っ直ぐに描かれる子どもたちの姿だと思います。
 まさやとあきよ、それから二人の友だちのまり子、それぞれの“らしさ”が鮮明に描かれています。
格好つけることなく描かれる登場人物たちのエピソードは、「あ!私もまさやみたいなところあるなあ。」とか「あきよって○○ちゃんみたいだな。」といったふうに、とても身近に感じられます。
 かく言う私も久しぶりに読み返してみて、今でも、まさややあきよ、まり子、それからまさやのお母さんも自分の中に住んでいるなあ、と感じました。

 それぞれの子ども(子どもに限らず大人も)が、その子らしいすてきな輝きを持っていること、加えてそういった輝きと短所と言われる部分が背中合わせの関係であることを描いてくださった古田さんに、「ありがとう!」と言いたいような、嬉しい気持ちになります。

 まさやとあきよが、相手のことをありのままに大切に思っていることが、一人だと気付かなかったことに気付かせてくれたり、できなかったことをやってみようと思わせてくれたり、誰かとかかわることでしか得られない力を与えてくれるのだなと、1月の寒い夜にほんわか温かい気持ちになることができました。
 まだお読みでない方はぜひ手に取ってみてください!

(販売部 岩澤)

この記事に出てきた本

バックナンバー

今日の1さつ

2024.11.21

関ヶ原の戦いに興味をもった息子が図書館で借りてきたら、他の戦いや戦争などにも関心を持ち、常に借りてくるので購入しました。小1にもわかりやすいです。(7歳・お母さまより)

new!新しい記事を読む