朝、お布団から出るのがとってもつらい季節ですね。
今年の立春は2月4日だそうで、暦の上での春はだんだんと近づいてきているようです。
今日は気持ちだけでも春を先取り!ということで春に読みたい一冊をご紹介します。
4月の小学校入学式・始業式を迎えたところから始まるお話、『大きい1年生と小さな2年生』は古田足日さんの代表作の一つです。
身体は大きいけれどこわがりで甘えんぼうの新入生まさやと、学年一背が低いけれど勝気でしっかり者の二年生あきよ。
(まさやは授業中におなかがへって泣き出してしまうことも!)
そんなまさやですが、どんな喧嘩をしても泣かなかったあきよが、あることで涙するのを目にして……。
このお話の魅力のひとつは丁寧にそして真っ直ぐに描かれる子どもたちの姿だと思います。
まさやとあきよ、それから二人の友だちのまり子、それぞれの“らしさ”が鮮明に描かれています。
格好つけることなく描かれる登場人物たちのエピソードは、「あ!私もまさやみたいなところあるなあ。」とか「あきよって○○ちゃんみたいだな。」といったふうに、とても身近に感じられます。
かく言う私も久しぶりに読み返してみて、今でも、まさややあきよ、まり子、それからまさやのお母さんも自分の中に住んでいるなあ、と感じました。
それぞれの子ども(子どもに限らず大人も)が、その子らしいすてきな輝きを持っていること、加えてそういった輝きと短所と言われる部分が背中合わせの関係であることを描いてくださった古田さんに、「ありがとう!」と言いたいような、嬉しい気持ちになります。
まさやとあきよが、相手のことをありのままに大切に思っていることが、一人だと気付かなかったことに気付かせてくれたり、できなかったことをやってみようと思わせてくれたり、誰かとかかわることでしか得られない力を与えてくれるのだなと、1月の寒い夜にほんわか温かい気持ちになることができました。
まだお読みでない方はぜひ手に取ってみてください!
(販売部 岩澤)