本好きのご夫婦が30年以上営む「ちいさいおうち書店」。アルプスの山々がのぞめる、長野県松本市のお店です。このあたりには「安曇野ちひろ美術館」などをはじめとした、絵本美術館も多数あるので、絵本をテーマにひとめぐりするのもおすすめですよ。副店長の越高令子さんにお話を伺いました。
Q お店のご紹介をお願いします。
お店の名前はアメリカの作家バージニア・リー・バートンの『ちいさいおうち』よりいただきました。子どもの本、外国語の絵本、絵本関連グッズ、木のおもちゃなどを置いています。中・高生向けのヤングアダルトの本、障害や病気の子どもたちに関する本も充実。子どもが本を手に取りやすいように書棚は年齢に合わせて下から上へ、だんだんグレードが上がるように配置するように心がけています。
Q お店をはじめたいきさつを教えて下さい。
子どもの頃から本が大好きで、本に関係のある仕事につきたいと思い、東京で出版関係の会社に就職。その会社で夫(店長)と出会い結婚しました。5年後に娘の誕生をきっかけに退社し、大好きな子どもの本の世界を直接読者に伝えたいと思い、1980年より、私の地元の松本市で子どもの本の情報センター「ちいさいおうち」をはじめました。
Q 定期的に行っているイベントはありますか。
月1回の読書会は30年以上続いています。同じ本を読んで意見を交換しています。 1~2か月に1回程度、フラワーアレンジメント教室も開催。絵本や物語をテーマにしたアレンジメントを作っています。
Q 偕成社の本でいちばん好きな絵本と読み物(または思い出の本、注目の本など)を教えてください。
好きな絵本
『はらぺこあおむし』『すてきな三にんぐみ』『からすのパンやさん』など定番はもちろんですが『くまのコールテンくん』『ゆきのひ』などにも愛着を感じます。娘と何度も読んだのは『あたしもびょうきになりたいな』や『ロッタちゃんとクリスマスツリー』です。
保育園の頃、『あたしもびょうきになりたいな』のバスタオルを使って祖母に服を作ってもらい、たいそう自慢げに着ていた娘の顔を今でも思い出します。『ロッタちゃんのクリスマスツリー』を読んだ後にスキーに行ったときは、お尻をふりふり「私もスラロームできる!」とロッタちゃんに張り合っていました。
『クラバート』の作者、プロイスラーが来日した時にこのお話のもととなった「クラバート伝説」を語ってくれ、その素晴らしいストーリーテリングが忘れられません。「お話づくりに行き詰ったとき、自分を楽しませようと思い『大どろぼうホッツェンプロッツ』を書いた」というお話にも驚きました。
注目の本
『アイちゃんのいる教室』のシリーズは、編集者の千葉さんに制作の時のお話を伺うことができ、とても深く読むことができました。「こどもの力」を感じ、人を好きになれる本だと思います。
『やあ、ともだち!』は英語教材としても楽しく、文化の違いをご紹介できる本として重宝していたので、ぜひ復刊してほしいです。
Q 本選びのポイントや、はじめての本選びに困っている読者へ向けてメッセージをお願いします。
昔から読まれている定番の本がおすすめです。定番の本はやはり飽きがこないもの。子どもは気に入ると1冊を100回くらい読むので、20年、30年読み継がれている本を選んであげるのが良いと思います。ちいさいおうちにご来店いただくのであれば、どうぞスタッフにお声がけください。お客様のお話を伺いながら、一緒にお選びいたします。
Q 近所にあるおすすめのお店やスポットを教えてください。
アルプス公園 四季折々、様々な季節の表情を見せてくれる場所です。子どもが自由にかけまわれる空間が素敵。
驪山(中華料理のお店) 池波正太郎さんが通っていた「竹乃家」のレジピを引き継いでいるお店。どれも美味しいですが五目焼きソバが絶品です。
ありがとうございました!
ちいさいおうち書店
創業 | 1980年 |
住所 | 〒390-0877 長野県松本市沢村3-4-41 |
TEL | 0263-36-5053 |
定休日 | 毎週月曜日 |
営業時間 | 平日10:00~18:30 日・祝10:00~18:00 |
アクセス | JR松本駅から車で15分 |
ホームページ | https://www.chiisaiouchihon.jp/ |
SNSアカウント | |
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通信販売(配送手配) | ◯ |
おむつ替えスペース | − |
授乳スペース | − |
ベビーカーでの入店 | ◯ |
駐車場 | 共通で5台 |
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