icon_twitter_01 icon_facebook_01 icon_youtube_01 icon_hatena_01 icon_line_01 icon_pocket_01 icon_arrow_01_r

今週のおすすめ

くしゃみがとまらない鼻を、どうにかしたい! ひとり読みにもおすすめな角野栄子の幼年童話『はなとりかえっこ』

長い冬がおわり、新緑が芽吹く春。すがすがしい季節ですが、つらい症状に悩まされる人もいるでしょう。『はなとりかえっこ』(角野栄子 作/さとうあや 絵)は、ひどい花粉症もちのアラさんが、その「いまいましい」鼻をとりかえっこする、ユーモアたっぷりのお話です。

ブタさんのはなと、とりかえっこしてみたら……

 お花がさいて、木の葉がぴかぴか光る、うつくしい季節。アラさんは、窓をあけて、思いっきり深呼吸をしました。そのとたん……「くしゃん くしゃん くしゃん くしゃん。」

 アラさんはこの季節になると、くしゃみがとまらなくなってしまうのです。それどころか、頭から鼻の先まで、おばけがぶらさがっているみたいに気持ちわるくって、お洗濯やお掃除をしたいのに、てんではかどりません。

 「あー、やだ、やだ。この はな、どこかへ すてちゃおうかしら。」アラさんがそうつぶやくと、トントントン。ドアをたたいてやってきたのは、丸々太ったブタさんでした。「ききましたよ、ききましたよ。アラさん、あなた、はな いらないんですか? なら、わたしの はなと とりかえっこ しません?」

「くるりっと ねじを まわすように」鼻を外して、とりかえっこします。

 なんと、わくわくするお話の入り口でしょう! このあとアラさんは、ブタさんの鼻になるのは嫌だなあと思いながらも(やけに現実的なアラさんがおもしろい!)鼻をとりかえっこし、久しぶりにくしゃみに悩まされない時間を楽しみます。

 ところでブタさんの鼻の特技は、「おそうじ」。ぶひーん! とパワフルに埃を吹き飛ばすことができるのです。アラさんもせっかくならと、お部屋にたまった埃を掃除しようとはりきりますが……。つづきはぜひ読んでみてください。

『魔女の宅急便』の角野栄子が手がける幼年童話

 角野栄子さんは、『魔女の宅急便』や「アッチ・コッチ・ソッチの小さなおばけ」シリーズなどの多彩な作品をもつ、日本を代表する児童文学作家。本作では、アラさんとブタさんふたりの、どこかとぼけたかけ合いを、あたたかくユーモラスに描きます。また、絵本作家のさとうあやさんによる、ピンクの線でおおらかに描いた絵が、全ページオールカラーで楽しめます。

 ゆかいなお話と、リズミカルな言葉で、どんどん読める! 1年生の「はじめてのひとり読み」にもおすすめの1冊です。

この記事に出てきた本

関連記事

バックナンバー

今日の1さつ

推理小説で、怪奇小説で、歴史小説。なんて贅沢な一冊!そしてどの分野においても大満足のため息レベル。一気に読んでしまって、今から次回作を楽しみにしてしまってます。捨松、ヘンリー・フォールズなど実在の人物たちに興味が湧いて好奇心が刺激されています。何よりイカルをはじめとするキャラにまた会いたい!!(読者の方より)

pickup

new!新しい記事を読む