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実は身近にいる、小さくてふしぎな生きもの『こうもり』

夜に活動する、空をとぶことのできる唯一の哺乳類、こうもり。あまり出会う機会がないと感じる方も多いかもしれませんが、実はこうもりは、わたしたちの最も身近にいる野生動物のひとつ! では、その生態とはどんなものなのでしょう? 今回は、アヤ井アキコさんの絵本『こうもり』をご紹介します。


大きさは? 重さは? こうもりの声、「超音波」って?

 こうもりが活動をはじめるのは、鳥たちがねぐらへ帰る夕方ごろ。川や湖、畑の上空など、虫のあつまる場所あらわれて、すばやく飛びまわります。この本で取り上げるアブラコウモリ(イエコウモリ)の大きさは、大人の親指くらい! とっても小さいのです。でも、体よりも大きな翼を持っているので、翼を広げると、大人の手を広げたくらいの大きさになります。体重は5〜10gと、とても軽い生きものです。一晩で自分の体重の半分ほどの虫(蚊や蛾などの小さな虫)を食べます。

 虫を探すときにこうもりが使うのは、声です。出した声が虫にぶつかり、跳ねかえってくる音を聞いて、虫の居場所をつきとめます。
 
 でも、飛んでいるこうもりから、声は聞こえません。なぜでしょう? それは、こうもりの声が「超音波」だから! 人間の耳には聞こえない高い音を使って、こうもりは暗い場所でも、さまざまなものの場所を把握しているのです。

 朝が近づき、鷹やカラスが目覚めるころになると、襲われないよう、こうもりはねぐらに帰っていきます。橋の下や、建物のすきまなどがねぐらになることもあります。
 
 後半では、こうもりの子育ての様子を季節ごとに追いながら、その暮らしを紹介しています。

こうもりを愛するアヤ井さんの意欲作! 監修・解説は、コウモリの生態が専門の福井大さん

 本作を手がけた絵本作家のアヤ井アキコさんは、大のこうもり好き! この絵本を出すにあたり、4年間に渡ってこうもりを研究し、「こうもりノート」を作られました。(ノートや取材の様子は、こちらの記事で紹介されています!)本作ではこうもりの姿が、正確に、かつかわいらしく描かれ、こうもりへのあたたかな愛が感じられます。
 
 監修は、コウモリの生態が専門分野の、東京大学大学院農学生命科学研究附属演習林 講師、福井大さんです。巻末の福井さんによる解説を読むと、さらにこうもりへの興味がわいてきます。
 
 あなたの住む場所でも夕暮れ時に空を見上げたら……こうもりに出会えるかもしれません! ぜひ身近な生きものであることを知って、探してみてくださいね。
 

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