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今週のおすすめ

常識をうたがってみた先にある、おもしろさ。五味太郎『まだまだ まだまだ』

「ふつう」にとらわれずに、さまざまな驚きの視点を届けてくれる五味太郎さんの絵本。『まだまだ まだまだ』は、ちょっとはずれてしまう、いきすぎてしまう子どもたちをユーモアまじえて、明るくやさしくつつみこむ作品です。


ぼくのかけっこはまだまだおわらない!

 『まだまだ まだまだ』は5人の子どもたちのかけっこからはじまります!

 よーいどん! とスタートし、次のページをめくると……あら、あっという間にゴールに到着してしまいました! もう終わってしまうの? いえいえ、ここからがこの絵本の本当のはじまりです。

 なんと、びりっけつだった最後のひとりの子が、ゴールをこえて、まだまだ走っていってしまいました。

 ぼくは まだまだ おわりません!

「ふつうの」かけっこがおわったあとのページで、ようやくタイトルが現れる斬新な絵本のつくり!

 そのまま、にぎやかなところや、ビルのあいだ、畑や森の中を、男の子はたったひとりでかけっこしていきます。

ビルの上から男の子の方を指さしている人も。「あら、あんなところを走っている子がいるよ」といっているのかな?

 さてさて、この子はどこまで走っていくのでしょうか。

 一心に前へ前へ走る男の子に加えて、まわりにいる人や動物たちの表情にも注目したい1冊。最後にあっとおもしろい結末が待っていますよ。

常識をうたがってみた先にある、おもしろさ

 かけっこはスタートとゴールがあって、定められたコースをいかに速く走り切るか、という競技。ルールあってこそ競って楽しいものですが、なんとこの男の子はゴールも、規程の道もはずれて自分だけのかけっこをはじめてしまいます。

 「え、そんなのあり!?」と最初はびっくりしつつも、そのすがすがしさといったら! たとえそれでビリになっても、いや、これはこれでよいかけっこだ、むしろかけっこというのは、順位も大事だけど、純粋に走るのを楽しむためにあるものかもなあ、という気持ちになってきます。

 普通の常識を疑ってみること、逸脱しても楽しく明るくやること。上手に生きよう、正しくやろうということばかりが優先されて、いつの間にかこちこちに固まってしまっている私たちの頭を、スコーンとたたいてくれる、爽快な絵本です。

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今日の1さつ

はじめに読んだ時は、木のレッドと動物が、おもしろい会話をしていて、楽しく読んでいました。でも、どんどんページをめくると「友達の作り方」や「強い友情」の言葉が書かれており、心に強く刻み込まれるものがありました。とても興味深い、物語でした。(11歳・お母さまより)

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