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内気なおばけに「はじめてのともだち」ができるまで。『やねうらべやのおばけ』

デビュー作『そらからきたこいし』でMOE絵本屋さん大賞・新人賞、ようちえん絵本大賞を受賞し、注目を集める絵本作家しおたにまみこさんの第2作。やねうらでひとりの生活を大いにたのしんでいたおばけのもとに、ある日招かざるお客がやってきて……。内気なおばけ、どうする?

ここは ぼくの ばしょなのに……

 『やねうらべやのおばけ』の主人公は、とある古い家の屋根裏部屋に長いこと住んでいる、おばけ。こわがりなので、外へでることはめったになく、屋根裏部屋でひとり、悠々自適に暮らしていました。

 ところが、ある日、その暮らしをおびやかす存在があらわれます。それは、屋根裏部屋にときどきやってくるようになった、この家に住む小さな女の子です。

「ここは ぼくのばしょなのに。やだなあ」

 おばけは、あの手この手で女の子をこわがらせ、追い出そうとしますが、女の子はちっともこわがらずに屋根裏部屋にやってくるのです。ある夜、思い切って女の子の部屋にしのびこんだおばけでしたが……。

 分けあったらきっと楽しいのに、つい「ひとりじめ」したくなる気持ち、こわがりだからこそ、厚い殻をつくってしまう、といういじらしさ、きっとどこか私たちと共通するものがあるのではないでしょうか。

 内気で「こわくない」おばけが主人公のストーリー。ぜひ絵本を開いてみてください。きっとあなたも、このおばけのことが好きになると思います。

木炭鉛筆で描かれる、独特の世界

 しおたにまみこさんは、これが第2作目。絵本を開くと、その緻密に描きこまれた絵のもつ力に圧倒されます。画材としてつかっているのは、木炭鉛筆。何度も何度も丁寧に描き重ね、1枚の絵を完成させるのに2ヶ月以上かかることもあるそうです。

 星空や、屋根裏部屋の様子などのリアリティのある背景と、透明感のあるおばけが見事に描き分けられています。ページのすみずみまで、絵をながめてたのしい、1冊です。

【期間限定】著者のしおたにまみこさんが『やねうらべやのおばけ』を読み聞かせしてくれる動画を公開しています! ぜひご覧ください。

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