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溶岩のドーナッツ、めだまや……鬼の商店街はこわおもしろい!『おにろうのおつかい』 

いろんなお店が並んだ商店街、家の近くにありますか? 新しいお店と古いお店がいりまじった通りは、歩いているだけでも楽しいですよね。『おにろうのおつかい』(尾崎玄一郎、尾崎由紀奈 作・絵)に登場するのは、なんと鬼の街の商店街! まるでみたことのないお店ばかりが並ぶ、魅惑の通りへご案内します。


誕生日のおつかいは、商店街へ!

 きょうは鬼の子、おにろうのお誕生日。お母さんがおにろうの好きなごはんを作ってくれます。

「ぼく、からあげが いいー!」

「だったら、“おにとかげ”を4ひき かっておいで。いつも いっしょに いく、おにやんまぎんざの おにくやさん、わかるでしょ?」

 こうして、おにろうは「おにやんまぎんざ」へ一人でおつかいにでかけます。商店街には、名前も外観もユニークなお店たちが所狭しと並んでいます。「やけどーなっつ」「おにぎりや」「しっぽ堂」「やおいわや」……おにろうが大好きなお店が、いくつもあるようです。

たくさんの鬼でにぎわう商店街。人間もいるようですが……

 「やけどーなっつ」の店が売るのは、熱い溶岩をにぎってまるめてつくるドーナッツ。マグマシェイクも一緒に売っています。熱そうだけど……なんだかおいしそうな気もしてきます。おにろうは、ドーナッツが次々とできあがる様子に、ついつい足がとまりました。

 「めだまや」は、えぐりたての新鮮な目玉を売るお店。ゲームのやりすぎにきく「つかれめ」、揚げるとおいしい「めだましゅーまい」など大きさも色もさまざまな目玉が並びます。かんで食べるのか、それとも丸のみにするのか……どんな味がするのでしょう? 「ぼうやの めだまも ここで うるかい?」という言葉に、おにろうはドキドキ。

“おにとかげ”が大あばれ!

 あっちでこっちで寄り道しながら、ようやくたどりついたお肉屋さんで「おにとかげ」を手にいれたおにろう。ところが……おじさんが「おにとかげ」についての注意を説明しているとき、おにろうの目はもうその隣にあるおもちゃやさんに釘付けになっていました。

 さてさて、この「おにとかげ」けっこう厄介な、“生きた”お肉のようで……! 説明をよく聞いていなかったおにろう、大丈夫かな? ぶじに誕生日のごはんに、唐揚げを食べられるでしょうか?

 何がおこるか予測できない鬼の世界にわくわくする一方、ついつい時間を忘れて好きなものに夢中になってしまったり、家族思いのやさしいお父さんやお母さんがいたりする、私たち人間と変わらない鬼たちの様子に親しみもわく1冊です。

 ぜひ、節分の季節に、親子で開いてみませんか?

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