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今週のおすすめ

めんどくさがりな人、ケチな人、へこきな人よっといで!『ぐうたらとけちとぷー』

本業はカメラマンだけど、文才を見いだされて、本作で童話作家デビュー! 加瀬健太郎さんの『ぐうたらとけちとぷー』(横山寛多 絵)は、めんどくさがりやの子、めちゃめちゃケチな子、あちこちでおならをしてしまう子、3人の物語。小学校低学年からの、気楽に読めるわらえるお話が4つはいっています。


 

 上には上がいる! めんどくさがり、ケチ、へこきの3人

 この本に登場するのは3人の男の子。

 1人目は、めんどうくさがりやの「めんどう くさのすけ」。お父さんは、めんどう くさお、お母さんはめんどう かよ。あなたも私も、多少「めんどうだなあ」と思うこと、あると思います。でも、このめんどうくさのすけ、中途半端なめんどうくさがりやではありません! どれくらいめんどうで動かないかって、寝たら寝っぱなし、起きるのがめんどうすぎて、3日3晩、寝つづけるほど。(その後、寝るのがめんどうになって、起きました)

 2人目は、とにかくけちで、めちゃくちゃせこい「せこいや ジャクソン」。お父さんはせこいや ようへい、お母さんはせこいや ジャネット。国際結婚のご夫婦のようです。常に物事に無駄のなきよう勘定しそうな目、ぴっちりとした身なり、見た目に性格が現れています。このジャクソン、かなりのケチケチ精神なので、持っているおもちゃも汚れてしまうからあそびません!(えー!)

 3人目は、いつでもどこでも、ぷーぷーへをこく「へ こいたろう」。お父さんはへ ひりのしん、お母さんはへ プーこといいます。争いごとを好まなそうな、のんびりとした顔立ちが特徴です。こいたろう、あまりにおならをするので、ついにはおならの「ぷーぷー」で返事ができるようになったのだとか。このぷーぷーが、意外なことに、3人のなかでムードメーカーの役割をはたします。

 寛容な両親の元で、それぞれの個性をのばしてきた3人は、実はとってもなかよし! 3人のお話と、最後に3人が集まって遊んだ一日のお話、全部で4つのお話が入っています。

 全ページにイラストが入っていて、読みやすく、語り口はまるでお父さんがつくり話をしてくれているかのよう。絵本のつぎに自分で読むお話として、読むことのおもしろさをおしえてくれます。

 本業は写真家の、加瀬健太郎さん

 著者の加瀬健太郎さんは、もともと写真家として活動されている方です。偕成社からは「世界のともだち」シリーズでイギリスを担当しています。「そのときの文章がユーモアと愛にあふれていて、これはおもしろいお話が書ける人にちがいない、と思い、童話をお願いしてみました」(担当編集・談)とのこと。
 
 家では3人の男の子の父親である加瀬さん。『ぐうたらとけちとぷー』も、息子さんたちに読みきかせながら、なんども書きなおしつつ完成したそうです。奥さんや息子さんとの日常を写真と文章でおもしろおかしく語る『お父さん、だいじょうぶ?日記』(リトル・モア)もおすすめです。
 

 イラストを担当した横山寛多さんは、イラストレーター。くさのすけ、ジャクソン、こいたろうの3人の性格がみごとに顔に現れたイラストを描いてくれました。それぞれの男の子のかたわらにいるイマジナリーフレンドにも注目してみてくださいね。

 最後に加瀬健太郎さんから届いた3つの動画をお楽しみください!

この記事に出てきた本

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今日の1さつ

子ども視点ではいろいろなパンが登場して楽しく、大人視点では、育児に忙しくお店の管理に手が回らなかったり、野次馬で集まったカラスたちが気まずくてみんなパンを買ってしまうところなど妙にリアルで笑ってしまいました。(4歳・お母さまより)

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