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歴史上の「あの謎」を小学生コンビが解きあかす!「歴史探偵 アン&リック」

小学校ではじまる「歴史」の勉強。数百年、千年以上前の話にいまいち興味がわかないという子もいるかもしれません。でも、すこし目をこらして周りを見てみると、意外と身近なところに歴史のかけらをみつけることも!

「歴史探偵 アン&リック」(小森香折 作/染谷みのる 絵)は、千葉県市川市に住む小学生の杏珠(アン)と陸(リック)が、歴史のかけらをヒントに、さまざまな謎をといてゆく物語。歴史好きもそうでもない方も、楽しめるシリーズです!


主人公 アン&リック

花畑杏珠(アン)

ファッションが大好きな小学5年生。ファッションソムリエの母親とふたりぐらし。ひょんなことから千葉県市川市の古いお屋敷を引き継ぎ、母親と引っ越してきた。おしゃれの話にはくわしいが、歴史はちんぷんかんぷん。

 

石松陸(リック)

アンのクラスメイト。運動神経も頭もよい、歴史マニア。ボーイッシュな女子。「博士」とよばれ、下級生にも人気があるが、変人。

 

 

(1)里見家の宝をさがせ!

キーワード:南総里見八犬伝、千葉県、市川市

 ひょんなことから、千葉県市川の古いお屋敷に引っ越してきた杏珠とその母親。その家には3つの家訓が伝えられていました。

   ひとつ。菊を植えるべからず。
   ふたつ。日光に行くべからず。
   みっつ。家宝を売るべからず。

 もっとも気になる家宝とはいったい何なのか? 新しい学校のクラスメートで、お屋敷の前の持ち主、波左間千鶴子さんと親しかった歴史マニアの陸は、それが『南総里見八犬伝』で有名な千葉の大名、里見家の家宝ではないかと主張します。ミーハーな杏珠は、陸とともに、お宝をさがしてみることに! 

 ファッションの知識にくらべて、歴史にはとことん“うとい”アンと、歴史マニアのリックの噛み合わない会話も魅力です!

「波左間って、徳川の家来なの?」
「まさか。二番目の家訓を考えてみなよ。」
「日光に行くなっていうやつ?」
「そう。日光といえば?」
「デパートなさそう。」
あのね。
「日光といえば東照宮だろ。家康を神としてまつってあるところだよね。日光に行くなってことは、徳川家に敵対心があるってことだよ。」
「ふうん。じゃあ菊は?」
「話せば長い話なんだよ。休み時間ののこりじゃむり。」
「じゃあ、家宝だけでもおしえて。」
「なんか、それしか興味なさそうだね。」
「そんなことないけど。」

(2)壇ノ浦に消えた剣

キーワード:平家物語、壇ノ浦の戦い、三種の神器、佐賀県、唐津

 里見家の宝を発見して、有名になったアンとリックのもとに、アンの母親・紗和の交際相手・伝兵衛から宝さがしの依頼がまいこみます。それは、伝兵衛の幼なじみ・誠からの“源平合戦の「壇ノ浦の戦い」で失われた三種の神器のひとつ、「くさなぎのつるぎ」をさがしてほしい”というもの。ところが、よからぬ企みをしているもうひとりの人物が、剣の行方を追っていることがわかり……? 伝兵衛に気のあるらしい誠と、その様子をみつめる紗和の三角関係にもドキドキです。

(3)源氏、絵あわせ、貝あわせ

キーワード:源氏物語、紫式部、京都

 『源氏物語』にちなんだ、着物のイラストコンクールに参加することになったアン。京都におばが住んでいるリックとともに会場へむかいますが、出場者のカリスマ小学生ファッションブロガー初音は、アンにライバル心をむきだしに、いやみな言葉をかけてきます。そんな初音の口車にのせられて、片方が消えてしまった貝合わせの貝をさがすことに。悲しい恋の物語とともに語られる、公家のお姫さまの宝をみつけることができるのでしょうか?

(4)鹿鳴館の恋文

キーワード:鹿鳴館、明治時代、スパイ

 イギリスからの留学生ボビーが、アンの家に見学にやってきました。実は、ボビーのひいひいおじいさんは明治時代、外交官秘書として来日し、当時の社交場であった鹿鳴館で、ある日本人女性と恋におちたのだそう。アンとリックは、その女性・スズコのなぞをとくのに、協力することになります。明治時代に花咲いた恋の物語!


以上、全4巻からなる「歴史探偵アン&リック」。フィクションを織り交ぜたストーリーで楽しく歴史に触れられ、本では詳しくわからなかった歴史についても知りたくなるシリーズです。気になったら教科書や歴史の本を、ぜひ開いてみてください。きっと本を読む前と読んだ後で、興味の持ち方が変わりますよ!

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今日の1さつ

真っ黒な表紙にこれ以上ない直截な言葉「なぜ戦争はよくないか」の表題にひかれ、手にとりました。ページを繰ると、あたたかな色彩で日常のなんでもない幸せな生活が描かれていて胸もホッコリ。それが理不尽な「戦争」によって、次々と破壊されていく様が、現在のガザやイスラエルと重なります。(70代)

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