icon_twitter_01 icon_facebook_01 icon_youtube_01 icon_hatena_01 icon_line_01 icon_pocket_01 icon_arrow_01_r

今週のおすすめ

それぞれの個性が輝ける場所がある……ながく愛される絵本『まっくろネリノ』

1973年の刊行以来、ながく愛されているロングセラー絵本のひとつ、『まっくろネリノ』(ヘルガ・ガルラー 作/やがわすみこ 訳)。「それぞれの個性が輝けるところがある」そんなメッセージをわくわくするお話にのせて届けます。翻訳絵本ならではの意外な色のくみあわせと、黒とのコントラストがうつくしい絵本です。

兄さんを助けなくちゃ! ネリノの得意なことを生かして

 ネリノの家族は、お父さん、お母さん、そして4人の兄さん。紫、赤、緑に黄色……兄さんたちはあざやかな色をしていますが、ネリノはまっくろです。

いろんな いろした きれいな にいさんたちは、
ちっとも ぼくと あそんでくれない。
あんまり まっくろだから だめなんだって。

 「まだ小さいから」「おもちゃをこわしてしまうから」、年上のきょうだいが遊んでくれない理由はいろいろありますが、「色のちがい」はどうしたらのりこえられるのでしょうか? ネリノは、きれいな色の花にきいてみますが、よい答えは返ってきません。くすりを飲んだらよいのでしょうか? 
 
 ところがあるとき、兄さんたちがあまりにきれいな色をしていたので、鳥かごの中にとらわれてしまいました。

どうしたら すくってあげられるだろう––––。

 考えたネリノは、名案を思いつきます。まっくろなネリノは、夜なら闇にまぎれられるので、誰にもみつからずに助けられるのです!

悲しみのあとにやってくる明るさ

 家族や友だちなど、さまざまな人と出会うなかで、だんだんとわかってくる、周りの人と自分とのちがい。ときにそのちがいゆえにぶつかったり、仲間はずれにされてしまったり、悲しいできごともあります。それをお互いにのりこえて「それぞれの良さ」を認めることは、そんなに簡単ではありません。けれども、この絵本では「そうありたい」というメッセージを「兄さんの救出劇」というわくわくするストーリーにのせて、押しつけがましくなく伝えています。

 そこはかとなく悲しさがただよう前半も、ネリノが兄さんを救出する後半も、背景は同じ黒と紺色ですが、最後のページにたどりついたときには、読み手の心にはっきりと明るい気持ちが生まれているはずです。
 
 著者のヘルガ・ガルラーはオーストリア出身の画家です。この作品はその第1作で、「オーストリア子どもの本最優秀賞」を受賞しています。アメリカやイタリアにわたり、服飾デザインや室内装飾、アニメーション映画などで活躍したガルラーならではの独特な色づかいも、この絵本を読む者の心につよく印象づける役割を果たしています。
 
 対象は3歳ごろから。ぜひ親子で読んでみてください!

この記事に出てきた本

バックナンバー

今日の1さつ

絵本で興味が出た事がそのまま勉強という形になる事がスゴイと思いました。絵のタッチもかわいい、なじみのある絵本のキャラクターなので、手に取りやすいと思います。(4歳・ご家族より)

pickup

new!新しい記事を読む