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図工教師と児童文学作家、二足のわらじをはく岡田淳さん、デビュー40周年! 気になるデビュー作は?

『二分間の冒険』など、数々の人気作品をてがける岡田淳さんが、今年作家デビュー40周年をむかえます。実は岡田さんは、作家である前に、2007年に定年退職するまでずっと、小学校の図工の先生でもありました。今回はデビュー作『ムンジャクンジュは毛虫じゃない』とともに、岡田さんのデビューのきっかけもご紹介いたします。

図工の先生から児童文学作家に!? バトンが偕成社に届くまで

 学校を舞台にした数多くの作品で読者をとりこにする岡田淳さん。西宮市のいち図工教師だった岡田さんが、本を書くようになったきっかけはどんなことだったのでしょうか。 

 『ムンジャクンジュは毛虫じゃない』のあとがきを読んでみましょう。

 図工の学習に〈お話や物語の絵〉というのがあります。その指導をたのまれたときに思いついたのが、この物語の原型です。もちろんそのときはもっとかんたんなお話でした。(中略)ぼくは、わすれないように書きとめておこうと思って原稿用紙を机の上にひろげました。
 すると、つぎつぎ話がふくらんでいったのです。

 こうして完成した作品でしたが、特に岡田さん自身は出版するつもりもなく、引き出しにしまっていました。ところが、近所の児童書専門店「ひつじ書房」(先日惜しまれながら閉店しました)のご主人にこの話をしたところ「ぜひ本にしたほうがいい」と、親切にも書店を訪問した偕成社の社員に原稿を渡してくれ……とんとん拍子に出版が決まったのだそうです。岡田さんはこのときのエピソードをこのように語っています。

〈ひつじ書房〉からまわされた原稿を読んで、ぼくのところにきてくださった編集のかたは、

––––これはおもしろいですから、

と、おっしゃいました。ぼくは(わあ、本になるんや!)と心をおどらせました。すると編集のかたは、こう続けました。

––––書きなおされるといかがでしょうか。

それから1年半、ぼくは編集のかたに文章作法のABCを教わりながら、書きなおしました。

 もし岡田さんがひつじ書房さんにお話しをされなかったら、もし偕成社の社員が原稿を読んで声をかけなかったら……。それでも岡田さんはいつかデビューされたかもしれませんが、数々の作家デビュー話のなかでもとりわけ印象にのこるエピソードではないかと思います。

『図工準備室の窓から』の巻頭ページより、岡田さんが先生をしていた学校や、校内の作品

 *岡田淳さんの図工の先生時代のエピソードは、エッセイ『図工準備室の窓から』にまとめられています。

デビュー作『ムンジャクンジュは毛虫じゃない』

 『ムンジャクンジュは毛虫じゃない』は、転校生の良枝が、地元の人が恐れて近寄らなかったクロヤマという山にのぼったことから物語がはじまります。良枝が頂上に咲いていたみたことのない花をもちかえるのですが、香りの良さと美しさで、たちまちこの花は大ブームに! 町の住人はこぞってその山にのぼり、あっという間にこのクロヤマソウをとっていってしまいました。

 まるで禿山になってしまった頂上を悲しくみつめる良枝でしたが、今度はそこで小さな毛虫と出会います。どうやら、この毛虫はクロヤマソウを食物としているよう。しかも、毎日倍々の数でクロヤマソウを食べては大きくなっていくのです! 最初は良枝とクラスメートでひっそりとこの「ムンジャクンジュ」と名付けた生き物を育てていたのですが、いよいよ手持ちのクロヤマソウが足りなくなって……やがて町中を巻き込んだ大騒ぎに発展します。

 学校のクラスメートたちの結束のかたさや、子どもvs大人の手に汗握る展開、なにがおこるか全く想像のつかない物語にぐいぐいと引き込まれてしまいます。

 岡田さんの作品は、身近な場所からふとしたきっかけで、ファンタジーの世界へトリップできるのが魅力です。「なにか不思議なことが起こらないかな」そんな気持ちで毎日を過ごす子どもたちに、うれしい夢をあたえてくれる物語。ぜひご堪能ください。

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息子9歳は自閉症です。幼い頃からノンタンが大好きな男の子です。ノンタンのシリーズを色々見てケラケラと笑っています。特に「スプーンたんたんたん」はお気に入りでボロボロになりページもバラバラになってしまいました。今回2冊目を買いました。ボロボロになった1冊目と並べてみています。(9歳・お母さまより)

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