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絵本&読み物案内

冬のよふけ、父さんと2人で森へ… コルデコット賞受賞の詩の絵本『月夜のみみずく』

2018.01.15

暗い夜は、明るい昼間とはちがう、ふしぎな空気を持っています。雪が降りつもった冬の夜はもっと特別。しんとして少し怖いような、でも神聖なような……。きょうはそんな夜のお話、『月夜のみみずく』をご紹介します。

みんなが寝しずまった夜、父さんと2人でみみずくを探しに森へ

 あたり一面が雪にすっぽりと覆われた冬の夜。女の子は、父さんと一緒に家を出ます。目的は、森にいるみみずくに会うこと。父さんとこうしてみみずくを探しにいく日を楽しみにしていた女の子は、どきどきしながら静かな森を歩いていきます。

森をすすみ、父さんはみみずくに呼びかける

 暗い森は怖いけれど、「みみずくに会いにいくときは、しずかにしないといけないよ」という父さんの言葉をしっかり守って、女の子は父さんと一緒に歩いていきます。
 
 森のなかで父さんはかすかな音を聞きつけました。そして呼びかけます。
ほーう ほう ほ・ほ・ほ・ほーう
 すると、どこかから返事の鳴き声が!
ほーう ほう ほ・ほ・ほ・ほーう
ほーう ほう ほ・ほ・ほ・ほーう
 まるで会話をするかのような父さんとみみずくのやりとりに、女の子は寒さも忘れて笑顔になりました。


ついにみみずくを見つけた! 迫力の姿に息をつめる

 みみずくの気配を近くに感じ、ぱっと手元のあかりをつけた父さん。照らされた先には、木の枝にとまったみみずくの姿がありました。みみずくと女の子は、静かに見つめあいます。おそらくほんの一瞬の出来事でしたが、女の子にはそれが1分にも3分にも、100分にも思えたのでした。


 やがてみみずくは枝から飛び立ち、森の奥へとかえっていきました。

“さあ わたしたちも うちへかえろう”
とうさんは いった
もう おしゃべりしても いいのだけれど
もう おお声で わらっていいのだけれど
なんだか ドキドキが つづいていて
わたし 影みたいに しんみりあるいた
 アメリカの作家、ジェイン・ヨーレンが書いた原作の詩を、『のはらうた』などで知られる詩人、工藤直子さんが訳した絵本。美しく流れるような言葉のなかに、父さんと2人きりで夜に出かけるというワクワク感、夜の静けさや怖さ、神秘的な空気がつまっていて、自分が女の子になって歩いているような気持ちになります。
 
 まだもう少し続く寒い冬に、ぜひ読んでみてくださいね。

 

 

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