あたたかなベッドへもぐりこむのが幸せな季節がやってきました。今週は、眠夜に読みたい「おやすみ絵本」をご紹介します。どの本も、おだやかであたたかな気持ちにさせてくれる本ばかりです。お気に入りの1冊がみつかりますように!
1.しずかな眠りにつける『よるのかえりみち』
みやこしあきこ 作
夜、うさぎのぼうやが、お母さんに抱かれながら家路に向かっています。通りのマンションの窓にともる明かりの中には、それぞれの夜を過ごす人たち。誰かに電話をかけている人や、抱擁をかわしさよならをしている人、ひとりでテレビをみている人……。
うさぎのぼうやは、もうおやすみの時間。あたたかな布団にもぐりこみながら、中の住人たちが過ごす、夜のつづきの時間を想像します。
1枚1枚の絵から想像がふくらむ、ストーリー性のある絵で知られる作者のみやこしあきこさん。窓から垣間みえる住人たちの様子から「あの人はこんな人かな」「このふたりはどういう関係かな」「いまなにを考えているのかな」と自分なりの物語をつむぐ楽しみがあります。夜の独特の空気を絵本全体で感じながら、しずかな眠りにつける1冊です。
2.お気に入りのぬいぐるみと眠りたくなる『あたし、ねむれないの』
カイ=ベックマン 作/ペール=ベックマン 絵/やまのうちきよこ 訳
夜、リーセンは、ベッドに入りましたが、なかなかねつけません。「おかあさん、おにんぎょうを もってきて! おにんぎょうが いないと、ねむれないわ。」リーセンは、大きな声でおかあさんを呼びました。すると、おかあさんは自分でとってきなさいというので……リーセンはお人形を持ってきて、ベッドに入れます。
ところが! こんどはお人形がまるでリーセンと同じように、「リーセン、くまを つれてきてよ。くまが いないと、あたし、ねむれないの。」というではありませんか。リーセンは(自分でとってきなさいとはいわずに)くまをつれてきて、ベッドに並べます。ところが、今度はくまが犬をおねだりし……。こうして、リーセンはあっちへこっちへ大いそがし! だんだんベッドがうまっていき……さて、リーセンは眠れるのでしょうか?
繰り返しが楽しく、人形たちのまるで子どものような姿もいとおしい絵本。きっといつもの眠りのおともを抱いてねたくなる1冊です。
3.幸せな気持ちで眠りにつける『よるくま』
酒井駒子 作・絵
おやすみ絵本の定番『よるくま』。夜、母が、男の子の部屋をのぞきにいくと、男の子がきのうの夜のできごとを教えてくれました。「あのね きのうのよるね、うんとよなかに かわいいこが きたんだよ」。その子は、よるくま。夜中に目が覚めたらお母さんがいないので、あちこち探して、男の子の家にたどりついたのです。男の子は、よるくまと一緒に夜の街へとびだして、お母さんを一緒に。
夜の街のわくわくする冒険、星につかまって夜空へとびだすとびきりのファンタジー、そしてなにより最後におかあさんにぎゅうっとだきしめてもらえる、大きな安心感がうれしい! 愛情たっぷりのぬくもりに包まれながら眠れる絵本です
以上3冊の本をご紹介しました! おやすみ絵本の1冊に、ぜひ選んでみてくださいね。