「子どもが」迷子になることはよくあるけれど、立場が逆になったら……。何度もめくりたくなる、ユーモラスなしかけ絵本『とうさんまいご』(五味太郎 作・絵)をご紹介します。
広いデパートのおもちゃ売り場で、迷子になってしまったお父さん!
デパートのおもちゃ売り場で「ぼくが おもちゃを けんきゅうしているうち」に、迷子になってしまったお父さん。ぼくはお父さんを見つけるために、おもちゃ売り場をとびだしてデパートのいろいろな階を回ります。
「なんだ、いた いた、あの せびろ……」と思ったら! せびろは似ているけれど、体格がお父さんより立派な、別の男の人でした。
そのあとも、似ている帽子の人、似ている靴の人、似ているネクタイの人を見つけますが、どれもお父さんではありません。
そんなとき「あっ、とうさん!」と、ついにお父さんを発見して……。最後のページの、思いがけないしかけにもご注目です。
何度もめくりたくなる、切り抜きのしかけが楽しい
この絵本のおもしろさのひとつは、なんといってもしかけの巧みさでしょう。お父さんを「見つけた!」と思っても、ページをめくると全くちがう人があらわれる意外性に、ページを行ったり来たり、何度もめくって見比べてしまうこと間違いありません。
五味太郎さんのしかけ絵本シリーズは、ほかにも春に読みたい『きいろいのはちょうちょ』、クリスマス絵本『まどからおくりもの』があります。ぜひ合わせてお楽しみください。