icon_twitter_01 icon_facebook_01 icon_youtube_01 icon_hatena_01 icon_line_01 icon_pocket_01 icon_arrow_01_r

今週のおすすめ

世界の “ダンプリング” 集まれ!『きょうはふっくら にくまんのひ』

寒い季節になると、コンビニやスーパーに並ぶ肉まん。ふっくらとした皮と、ジュワッとあふれる肉汁がたまらないですよね。『きょうはふっくら にくまんのひ』(メリッサ・イワイ 作/横山和江 訳)には肉まんをはじめ、世界各地のおいしい “ダンプリング” がたくさん登場します!

今日は、肉まんをつくる特別な日!

 主人公のリリは、おばあちゃんのナイナイといっしょに肉まんをつくるのが大好き! 二人は肉まんの生地をふっくらすべすべになるまでこねて、細かく刻んだ具材を炒めます。

 ひとつひとつていねいに、餡を皮で包み終えたら、いよいよせいろに並べる……はずでしたが、「ザオガオ!!たいへん!!」とナイナイ。どうやら、せいろに敷くキャベツを切らしてしまったみたいです。

 「6かいのバブシアからキャベツをわけてもらってきてくれる?」と頼まれたリリは、アパートの階段をスキップで駆け上がって、6階へ(不運なことに、エレベーターが故障していたのです)。

 バブシアを訪ねると、こころよく、キャベツをまるごとわけてくれましたが……「ド・リハ!!まあ、なんてこと!!」バブシアは、ピエロギづくりにつかうじゃがいもに芽が生えてしまって、困っていたところでした。

 バブシアから、じゃがいものおつかいを頼まれたリリは、今度は2階に住むグランマのもとへ。そこでも、ビーフ・パティをつくっていたグランマからおつかいを頼まれ、さらにその先でおつかいを頼まれて……。

 アパート中を上へ下へと奔走したリリは、もうへとへと! やっとのことで、最初のおつかいのキャベツをもってナイナイのもとへもどり、さあ、肉まんづくりの再開です。

いろいろなルーツをもつおばあちゃんたちがつくる、それぞれのダンプリング

 お気づきの方もいるかもしれませんが、このアパートには、いろいろな国や地域にルーツをもつ住人たちが暮らしています。リリが彼女たちを呼ぶ名前(ナイナイ、バブシア、グランマ……)はすべて、いろんな国のことばで「おばあちゃん」という意味をもちます。彼女たちが話す「たいへん!!」も、それぞれの国のことばです。

 そして、住人たちがつくっている、肉まん、ピエロギ、ビーフ・パティなどは、実はすべて同じダンプリングの仲間。小麦粉を練ってつくった生地に、おいしい具材を入れた料理を総称して、英語で「ダンプリング」と呼ぶのです。世界にはほかにも、味やかたちのさまざまなダンプリングがあります。

 本を閉じたあとは、巻末のナイナイ特製レシピを見ながら、ぜひ肉まんづくりに挑戦してみてくださいね。肉まんのように、じんわりと心を温めてくれる一冊です。

この記事に出てきた本

バックナンバー

今日の1さつ

飯野さんの幼いころの暮らしの思い出がいきいきと再現されていて胸がきゅんとしました。おかいこさんを育てる場面も迫力があり、いっしょに生きていくことの大切さを教えてくれました。働いているおとなたちの表情がすばらしい。羊毛やお蚕のにおいはわたしの思い出になりそうです。(読者の方より)

pickup

new!新しい記事を読む