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今週のおすすめ

山間の集落での豊かな暮らしを描いた絵本『ぼくとお山と羊のセーター』

1947年に生まれ、絵本作家・画家として活躍する飯野和好さんは、秩父の山間の小さな集落で育ちました。そんな飯野さんが少年時代を振り返り、家族と動物たちと過ごした自給自足の生活を描いたのが、『ぼくとお山と羊のセーター』です。今回は、第70回産経児童出版文化賞タイヘイ賞を受賞した本作をご紹介します。


たった3軒の小さな集落。動物たちとの暮らしの中で心待ちにしているのは、育てた羊の毛で作るセーター!

 小学生の「ぼく」が暮らしているのは、家がたった3軒だけの、秩父の山間の小さな集落。家の裏では、たくさんの動物たちを飼っています。


 学校から帰ると、お父さんやお母さんは、山で仕事をしていました。ぼくの役目は、羊たちを草場につれていくことです。羊たちは、草場が大好きなのです。「メエーヘヘヘ メエーヘヘヘ」
 
 この羊たちの毛は、いずれ毛糸になります。「カズ 来年にゃあ あの羊の毛で こんどはおまえのセーター つくれるな」とお父さん。ぼくは、どんな形のセーターがいいか、家の仕事をしながらわくわくと考えます。
 
 夏には家の中で「お蚕さま」を育て、秋には干し柿を軒下に吊るし、冬は山で薪をとってソリあそび。大自然の暮らしの中で、羊たちはいっそうまるまるとしていきます。そして……山の木の芽のにおい、野の花のにおいにつつまれて、春がやってきました。いよいよ羊の毛を刈る季節です!
 
 ぼくの家にやってきた毛糸屋さんは、大きなハサミで、ジョキジョキ、ジョキジョキ。もこもこの羊の毛をどんどん刈っていきます。刈り終わったら重さをはかり、毛糸の色と太さを決めて帰っていきました。さあ、どんな毛糸ができてくるでしょう? ぼくのセーターは、どんな形でしょう。


ノスタルジーにとどまらない、生きる喜びに満ちた暮らし

 現代とは異なる部分の多い、自給自足の暮らしを描いた本作ですが、そこには、単なるノスタルジーをこえたものがあります。自然の息吹までが感じられる山の風景、その山につつまれてたくましく暮らす家族の、自然と一体となって過ごす姿には、生きることの喜びがあふれているのです。
 
 最後のページには、少年時代の飯野さんご兄弟の写真が添えられています。「ぼくとお山と 羊のセーター わすれない!」
 
 ぜひ本をひらいて、溌剌として生きる家族の山の暮らしに、思いを馳せてみてください。


 

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今日の1さつ

小学校6年生のときに、「十一月の扉」を読んで以来、高楼さんの本が大好きです。「街角には物語が…」も、読んでいてとても心があたたかくなりました。高楼さんの物語の世界は、小さい頃から私の憧れている世界そのもので、本当に大好きです!!(17歳)

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